人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2010年3月21日

この時期に合同就職説明会(ビジネスサプリメント411号)

先週末に東京で間もなく卒業を控える大学4年生の合同就職説明会が開催され、

数人枠に何と800人も参加したと言うニュースを見て驚いた。皆さん真剣な表情で

必死である。今年の就職内定率は80%と言うではないか。リーマンショックによる

景気の後退は底を打ちやや改善の兆しはみられるものの誠に厳しい状況であること

に変わりはない。内定をもらえなかった学生の中には、大学を卒業せずに留年しよ

うとする人が増えているそうだが簡単に「新卒ブランド」を捨てて欲しくはない。

また大学院への進学枠も満杯になった大学も多いと聞く。本当に勉強のために大学院

に進むならば素晴らしいことだが、就職できないからという状況で進むのは異常と

しか言いようがない。またお金に余裕がある人は海外留学希望も増えていると聞くが

現状から逃げて欲しくはないし、今後の自分作りのためにもしっかりした信念を

持って取り組んで欲しい。来春の卒業生に対する今年の企業採用動向は、昨年よりも

更に悪化するのではないかと言う見方もある。リクルートワークス研究所が昨年末に

公表した「採用見通し調査」の結果では、2011年卒の採用予定数が「減る」と回答

する企業の割合は9.3%で「増える」と答えた企業よりは依然多く、さらに「分からな

い」と回答する企業が2010年卒の25.1%から約11ポイントも増えて36.6%となったと

ある。特に中小企業では計画すら立てられないのが実態のようだ。

元職場でもある時期採用を数年ストップした時があったが、将来的にはその年代が

中核を担う時は本当に大きなひずみが出来て運営上も厳しいことになったことを

思い出す。フレッシュな人材が働けないと言うことは誠に心が痛む。

以前のような拡大成長はもう来ないだろうが、景気はこのまま続くとは思われない。

短絡的な判断で採用中止することは後で大きな禍根を残すものと思われる。未だ

内定が決まらない学生の方も、決してあきらめず「目的意識」を持って取り組んで

いって欲しいものだ。

企業における人は「コスト」であると共に「財産・資産」であることを忘れて欲しく

ないこの頃である。

2010/03/21 07:14

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