先日の朝日新聞の経済気象台と言うコラムに「事業は人なり」と言う記事が掲載
されていた。不透明・不安定な経済状態の時は、社員自身が会社の将来を思い、
業務のあり方やお客様満足などのカイゼンに取り組み続けるような企業でなけ
れば生き残れないとあった。そう!当事者意識なくして存在できない時代に突入
したのである。決まったことしかやらない社員、権利を主張するだけの社員など
を抱えた企業は早番破綻するともある。最近の企業破綻を見ていると誠に怖い
状況である。確かに大きな組織にぶら下がり、考える力をなくし、そのことに
気づかないことは怖いことである。以前の私がそうであった、大きなロープに
ぶら下がっておれば絶対に切れることはないと確信している自分があったが、
突然切れたのである。切れればまた別のロープを探しまくっていた自分があった
ことを思い出す。このような時代はしっかりと「自立」することが求められる、
即ち主語は「会社」ではなく「自分」なのである。「自分のことは自分で行い、
自分で責任を持つ」自立した集団が勝ち残るのではないだろうか。マーケットの
変化をいち早くキャッチし更にはマーケットを変えていくぐらいの気概が求めら
れるのである。また社員は経営者を映す鏡、上に立つ者の器量や度量、マネジ
メント力次第で社員の意識も大きく変わるとある。数々の企業をご支援していて
このことを凄く感じることが多い。トップ自ら現場へ出向いて社員の話を聴く、
また会社のいろいろな情報を伝え共有していくことも大切であり、何も難しい
ことはなく、簡単に実現できることである。現場を大切にすることこそが、
自立した社員を作るのであろう。このような時こそ日本の誇りであった現場力
を高めていかなければいけないのではないだろうか。成果主義も大いに結構だが
「大事なのはお互いの信頼関係」であるし「形」ではなく「中身」とその「運用」
が大切なのだ。
動物園の檻の中の虎になるのは楽である、しかしこれからは野生に放たれた虎に
ならないと人も組織も生き残れない時代になった。
2010/03/28 07:28