人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年4月18日

スピード(ビジネスサプリメント415号)

日経新聞の春秋に「スピード、スピード、これからの歴史は、今までの何倍、

何十倍のスピードで進む、起(た)ちあがるのも、亡び去るのも、われわれの

考えもおよばぬほど早い時代なのだ」と敗戦直後の軍の高い地位にあった方が

述べられた言葉が紹介されていた。このフレーズは今でも、いや今こそ通用する

ことではないだろうか。政治や経営もスピードが必要になってくる、問題の先送り

をしていてはだんだん問題が大きくなるものなのだ。時は解決してくれない。

そんなことを考えていると、ある雑誌に早稲田大学の内田教授が次のような寓話を

紹介されていた。

「仲のいい2人の男がジャングルの中を旅していた、そうしたら虎が現れて、さぁ、

大変!と言う事態になった、1人の男は突然しゃがみ込んで靴紐を結び始めた、

もう1人の男が、何をやっているのだ?そんなことをしたって虎から逃げられる

わけがないだろうと馬鹿にした、しかし言われた男はお前より早く走ればいいのだ」

と答えたと言う話である。この話はスピードが大切だと言うことを示唆している。

教授曰くまず1つは「問題に気づくスピード」「虎より速く逃げる」と言う設定を

してもムリがある、もう1人の男より速く逃げれば良いと言うことに「気づく」こと

がポイントなのだ。2つ目には「意思決定のスピード」、この例えは人間としては

誠に非情なことなのだが、企業や組織の場合はもっとシビアでありどちらが速いか

で決まる。3つ目には「実践するスピード」意思決定しても実践しなければ何の

意味もなさない。つくづく感じるが意識レベルで止まってしまい実践されないことが

如何に多いことか。この男の場合は靴紐を結ぶと言う行為を実践したことが大事な

ことだったのだ。「知識は意識を変える、意識は行動を変える、行動は結果を変える」

と良く言われるが、いまや「行動が意識を変える」時代になっているかもしれない。

ことほど左様にスピーディーに意思決定し実践に移していかなければ亡び去るかも

しれない時代なのだ。「正しい判断」と「速い判断」今の時代はどちらが求められる

かと言えば、言い過ぎかも知れないが「速い判断」ではないだろうか。それほど

スピードが求められていると言っても過言ではないだろう。

2010/04/18 08:24

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