先日ある雑誌でこの3つの言葉を目にした。私が何時も「気づきに関する講演」で
「メタボ化した組織」の危険性があると申し上げている言葉と同じだった。
長年同じような組織体にどっぷり浸かってしまうと、どうしても「内向き」に
なってしまうものだ。即ち「会社」の常識は「社会」の非常識であることが感じ
なくなるのが怖い。最初は「おかしいな?」と思っていても「まぁいいか!」と
思い込んでしまうのである。出来るだけ「現場」に目を向けたいものだし、外の
状況を見る余裕が欲しい。そのまま放置すれば「ゆでガエル」になってしまう。
「内向き」にならないために一番大切なことは「問題意識(おや、おかしい)」
を常に持ち続けることが肝要である。また内向きになると、ついつい「他責」傾向
になりがちである。他責に帰することは非常に楽であるが「考える力」がだんだん
なくなってくるものなのだ。また「上向き」で一番怖いことは「トップに本当の
情報が入らない」ことなのだ。そのためタイムリーに手が打てず失敗につながる。
またトップにも「良いことは聞きたい」が「良くない情報は避けたい」傾向が
あってはならない。甘言(心地よい言葉)を好み、諫言(問題点を指摘するような
言葉)を避けていてはならない。組織体と言うものは「逆さまのピラミッド」でなけ
ればいけない、そう!一番下にくるのは「トップ」であり大変重い位置なのだ。
メンバー全員が「気楽にまじめな話」が出来る組織にしていかないと、この激変の
時代は生き残れないことは確実である。何よりもまず「下(現場のメンバーの状況)
や顧客(お客様の変化)を見る」組織は強いものだ。
そして「箱文化」は担当が違えば全く関心を持たない、いわゆる「よそごと」に
なってしまう。即ち自分たちの「箱」のみ関心があり、余計なことはしないと言う
風土は誠に怖い。組織と言うものは「箱」を作ってはいけない、箱なしで臨機に
対応出来る組織体にしなければいけない。組織メンバーが大きな目標に向かって
「ベクトル合わせ」が出来ていないと成果と言うものは出ないのである。
私は全てを経験・体験し失敗してきたので自信を持って言えるが、今ほど「外向き」
「下向き」「箱なし文化」の構築が求められている時はないだろう。
2010/04/25 07:46