人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年6月13日

フリーな話し合い(ビジネスサプリメント423号)

以前ある企業の若手社員とフリーな話し合いをしたことがあった。メンバーは

「何をするの?」と懐疑的な雰囲気が蔓延していた。やはり召集時にその研修の

目的が徹底されておらず、再度目的を徹底し忌憚のない自分自身の意見を述べて

もらうように仕向けた。今回は私とメンバー6人が参加メンバー、ここで思い

きって「皆さんはやらされ感はない?時間も遅くなったし疲れてはいない?」と

言ってみた。数名から「正直ありますね!」とのこと、折角の時間を無駄にしたく

ないので質問をどんどんぶつけた。こちらの真剣さがだんだんと伝わってきてみん

なの雰囲気も少し変わってきた。終了時刻が来たので「簡単にまとめ」次回に話し

合うことに決定した。その後メンバーの1人から「もしよろしかったら、みんなで

軽く一杯行きませんか?」とのお誘い、そこで思い切ってその会社の「トップもお

誘いしないか?」とぶつけた。もちろんトップは了解済みである。最近の若い人は

飲み会を敬遠すると言うがそうでもなく喜んで一緒に行こうと言うことになった。

少しお酒が入ると「本音」が出るものだ。愚痴やぼやきはなかったし、トップも

遠慮せずにどんどん話された。みんな会社を良くしたいと言う思いを持っている

ことが良くわかった。Aさんは「そのような考えをしていたのか」、Bさんは「今大

きな壁にぶち当たっているのか」Cさんは「そんなに辛い仕事をしていたのか」等々

本当に良く共有できた。やはり甘えも出る、その時は外部の人間である私が苦言

を呈した。何か目に見えない「壁」がだんだんとなくなってくるではないか。

トップも改めて知ることが多い現実に驚かれた様子だ。いろいろと話し合った結果

喫緊の課題が浮かび上がってきたので「じぁー次回はそのことについてみんなで話

し合おうよ!」と提案するとトップもメンバーも全員がうなずかれた。やはり最初

は自分自身の「裃(かみしも)」を脱ぐべきである。そうするとメンバーも脱いで

くれる。メンバーの1人が「もう最終電車ですよ!」と言ってみんなさわやかな笑顔

で別れたのである。こうなると次回はスムーズに真剣に話が弾むものだ。

2010/06/13 07:31

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