お手伝いする企業や団体で各個人の方々と気づきヒアリングすることが多い。
その人の個性に合わせてお話を聴かなければならないから疲れることもしば
しばである。ヒアリングは筆者のセミナーを開いてから、どのように感じたか
を切り口にして始めているが、初対面の方がほとんどで、まずは相手の方は
「この人物は何を聴きたいのか?」とやや警戒気味で臨まれる。自分の言った
ことがトップに筒抜けになるのではと疑われることも多い。しかしこちらが
「建前」でなく「良い意味で本音」を出さないと相手の方も本音を出されない。
まさに人間心理そのものである。経験上7割ぐらいの人は疑心暗鬼だが、お話し
ている内にご自分の本当のお気持ちを出されるようだ。まずは肯定することから
始めるが、「おゃ?」と思うとずばりではなく、投げかけのご質問をすると
お話が深まってうわべではなくなってくる。間違っているなぁと思えばズバリ
「このように考えるべきだ」申し上げることもある。そうするとほとんどの方が
「納得」される。決してテクニックのみで出来るものではないし、過去の
経験や知識など織り交ぜながら申し上げている。女性の方は純粋で的を射たこと
を言われることが多い。考えてみれば過去の職場から積算すると延べ3千人を
超える方々とヒアリングしてきたが、過去はこちらがとっくに切れていた場合も、
最近は歳のせいかぐっと抑えることが出来るようになった。好き嫌いや思い込み
は確かにあるが絶対に排除すべきである。
気づきヒアリングは健康診断のMRIやCTや血液検査のようなものではないかと
感じる。いわば病理の分野ではないだろうか、問題点を整理し繰り返し続けて
精密検査をしなければいけない部分をはっきりさせなければならない。そして
臨床の分野はその組織のトップであり、直属の上司ではないだろうか。それだけ
にヒアリングのスタンスは真剣でなければならない。要は一緒になってその方の
良い部分を伸ばしてあげることに尽きる。
2010/10/01 19:55