人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年10月10日

ある若手管理者(ビジネスサプリメント437号)

以前にお手伝いしていた企業に優秀な若手管理者がおられた。彼は何でも率先

垂範タイプであり、いざと言う時は「自分が責任取るから、思い切りやってみ

よう」と言う管理スタイルの方であった。ある時私に次のような質問をされた

のである。

「部下になる年上の監督職のマネジメントが難しい、彼は職人気質でありマネジメ

ントよりも仕事の方に気が入ってしまっている、自分の仕事を少しでも部下に託し

マネジメント力を付けてもらいたいが、どのようにしたら良いのか教えて欲しい」

と言う内容だった。私はその監督職の方も良く存じ上げているので下記のように

申し上げた。

①確かに職人気質で「マネジメント」は嫌いと言うタイプだが会社から任命された

役割には「マネジメント」が含まれているのでしっかりと役割遂行をして欲しい

ことは押さえるべきである。

②このような方は「理論や理屈」でお話してもなかなか聴こうとされないことが

多い、必ず「具体的事例」を引用して相手の興味あるポイントに絞りながらアド

バイスすべきである、そこから上手くいったことなど引用すれば話は弾むのでは

ないだろうか。

③場当たり的に指摘しても殆ど聞かれるスタンスにはなられないと思う、彼の

性格特性を良く見極めて、上から目線ではなく「同じ目線で」計画的に継続的に

具体的に指摘すべきである。

④たまにはちょっと一杯行きませんか?と言うお誘いも必要かもしれない。

⑤人間的に優しい面を持っておられるので、決して決め付けずに熱意をこめてお話

したら理解されるのではないか。

⑥話したことでもし「上手くいった成功事例」が出れば、そのことをどんどん広げ

ていこう、きっと自信を持たれる違いない。

⑦人間は関心を持ってもらいたいと常に思っているものなので、常に声かけを忘れ

ないようにしよう。

まぁこのようなことを申し上げたように思う。少し時間がかかったようだが若手

管理者からその監督職の方が部下の方を上手くマネジメントされるようになった

と言う報告をいただいた。

2010/10/10 07:46

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