最近「未病」と言う言葉をよく耳にするが、病気ではないが健康とも言えない中間
の症状らしい。ある本によると約2千年前の中国の医学書に書かれているようで、
病気に向かっている状態であり、病気になってからではなく、病気になる前の治療
が重要であり、現代医学でも取り入れられ「予防医学の原点」となっているとある。
人間ドックの結果が大丈夫だからと考えている人は結構多いが完璧ではない。
タバコが値上げになったがまだくわえタバコで歩いている人もよく見かける。
受動喫煙で亡くなる方が交通事故よりも多いと聞くと怖くなるが、叱られそうだが
喫煙者は未病かもしれない。未病は病気に進展させてはいけない状態、健康に戻る
好機であり、今の状態が続けば病気になる、おゃ!おかしいなと感じたら未病を
疑うべきであろう。
振り返って企業をはじめ組織体でも同じことが言えるのではないだろうか。
誰もおかしいとは言えない、どんどん病状は進んでいる、財務諸表や損益計算書に
異常が出ていなくても、資金繰りに行き詰ってはいないだろうか。これだけ大企業
が危機に陥っている現在、絶対に大丈夫なんてあり得ない。
人間の体で言えば「生活習慣」を改めないと重病が潜んでいる可能性がある。
「何でも言いあえる風土だろうか」「透明性があり、コンプライアンスが遵守され
ているだろうか」、もしそうでなければ未病かもしれないのである。著しく損益が
落ち込んだら、経費の対売上比率が上がったなら、緊急に何か手を打たなければ
病気になってしまい、重病から「倒産」になったら一大事、筆者は筆舌に尽くし
がたい経験をしている。「何とかなるではなく、何とかしなければならないので
ある」。ましてや「仮病」(粉飾決算等)があればもはや赤信号である。企業で
言えば「ニーズ・ウオンツ・シーズ」を常に把握し、先手で対応策を考えないと
行き詰る。この混迷の時代、今までのやり方の踏襲で頑張っても手遅れになる
ことを心しておきたい。
2010/10/20 09:30