以前朝日新聞の勝間和代さんのコラム欄にバーナード・ワイマーの理論が下記の
ように掲載されていた。ワイマーはアメリカの心理学者であり、人の行動には
「成功しようとする行動」と「失敗を避けようとする行動」があり、その二つは
反発し合っている。目標を達成しようとする意欲に満ちた人、つまり「成功しよ
うとする行動」をとる人は失敗を恐れない、逆に失敗を避けようとする人は成功
しようとする行動をとらないとある。つまり成功しようとする行動する人は否定
から入らずに必ず肯定から入るのかも知れない。また成功志向の動機が強い人と、
失敗回避の動機が強い人の違いを4つの要因を示して分析して、その要因は①本人
の能力②本人の努力③課題の難易度④運であり、成功志向の動機が強い人は成功
した時、その理由を自分の努力の賜物と考え、失敗した時はその逆に努力不足が
原因と考える傾向があるらしい。一方失敗回避の動機が強い人は成功しても、その
原因を特定せずに運まかせのように考え、失敗したら自分の先天的な能力不足を
理由にする人が多いそうだ。成功への意欲が足りない人は、失敗の原因をヤル気
さえあれば誰にでも取り組める努力の問題にではなく、どうにもならない能力の
問題に帰することで、努力しなければいけないと言うプレッシャーを打ち消そう
とする。その結果失敗回避の動機が強い人は実力相当の課題よりも、失敗した時
に自己責任が問われるので、簡単な課題か超難題にチャレンジした方が気楽なのだ。
原因は能力にではなく努力にあるとされているとあった。
有名な行動科学者のハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」では、衛生要因はその
人の関心は自分たちの作業環境(給与・地位・作業条件等)に向いており、動機づけ
要因はその人の関心は仕事そのもの(達成感や承認されること等)に向いているとあ
る。衛生要因は不満足を減少させるだけ、動機づけ要因は満足を増加させるのだ。
この混迷の時代は成功しようとするスタンスと、「やらされ感」から「達成感」
へのチェンジが必要であり、まさにそのキーワードは「気づき」ではないだろうか。
2010/12/16 17:11