人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年12月24日

意識の転換(ビジネスサプリメント445号)

今年も本当に良いニュースは少なく暗い話題が多い世の中になってしまった。しかし

この風潮に負けてはならない、今こそ意識の転換が必要ではないかと痛切に感じる。

年末になり腕時計の話を思い出した。「あなたがはめておられる腕時計の文字盤の

12時のところにはどんな文字が入っていますか?」と言われた時、デジタル時計

以外、時計を見ずに即座に答えられる人は少ないのではないだろうか。

アラビア数字の12になっているのか、長棒になっているのか、あまり見ないような

記号になっているかと迷う時が多い。毎日何回も見ているのになぜかと言うと、

時刻を知りたいので時刻だけを見て、文字盤にはあまり目が向いていないのである。

では買い求める時は時刻を見るだろうか?この時計は今正確に時を刻んでいるのか、

なんて絶対に見ないだろう。アナログ的なアラビア数字が良いだろうか、角ばった

ものが良いだろうか、丸い形が良いかと考えるものである。その時によって見方は

違う、時刻だけ見てしまってその周りにあるものが見えていないことがないだろうか。

見ようと思えば見えるのに、見ていない部分はないだろうか。その部分を見ていく

ことがもの凄く大切なことなのだ。

例えばあるお店の売上を見ても、今は大変厳しい状態ではあるが、数字の前年比だけ

を捉えてはいないだろうか。数字だけを見ているということは、時計で言えば時刻

だけを見ているのと同じである。買われているお客様の買い方がどのように変わった

のか、どのようなお客様がご来店になっているのか、そのお客様がどのような商品に

興味を持たれているのか、そのような変化を見ていかないと本質はなかなか見えて

こないものである。時刻や数字だけで一気一憂していても仕方がない。まさに迷路の

中でさ迷っている状態が続くのである。年の終りに当たって、「迷路を真上から見る」

ことの大切さ、意識をポジティブにする大切さを感じるのである。

   <今年も残り少なくなってきました、どうか良いお年をお迎え下さい>

2010/12/24 20:04

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