昨年末もテレビで「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」と言う番組が
放映されていた。チームから戦力外通告をされ崖っぷちに立たされた選手に密着
取材をしている。企業で言えば整理解雇のようなものである。
2010年度は101人が失職、その中にはセーブ王・ホームラン王・沢村賞投手・200勝
投手もいる。今回は3人の選手の取材だった。1人は17年間もプレーをした35歳の
投手で、社会に対応出来る自信もなく、頭も下げたこともないようで、野球しか道
はないと告白されていた。またもう1人は13年間プレーをした野手で、戦力外通告
された時に息子さんが原因不明の難病で入院、奥様は3人目の子供さんが間もなく
生まれると言う時だった。彼は3年前も戦力外通告され他球団へ移ることが出来たが、
アルバイトの経験もなく、野球しか道はないと言う状況のようだ。奥様は息子さん
の看病で付添、自分は娘さんのお世話と大変な時期、とうとう娘さんを奥様の実家
に預けられ家族が離ればなれになってしまった。最後の1人はドラフト1位で入団し
ご両親の支えで頑張ってきた捕手であった。3人共トライアウトと言う再起に向けた
テストを受けると言う、投手18人、野手15人計33人が受験する狭き門である。
投手は4人の打者と対戦、野手は5人の投手と対戦しスカウトの厳しい目が光って
いる。1人目の投手は掛かり付けの整体院に行き体調は万全、娘さんからの励まし
の手紙も受け取ったが、結果は打たれてしまった、2回目のトライアウトまで受け
結果は良くなかったが、ある球団からバッティングピッチャーとしての声がかかっ
て快諾された。
2人目の野手も結果が残せず、2回目のトライアウトに臨み結果が出たのにも関わら
ず声がかからなく、全く新しい道を探されると言う。3人目の捕手は打撃の結果は
出なかったが、捕手のインサイドワークが認められある球団から声がかかり新たな
スタートが出来た。彼は雇用がマッチングしたのだ。このようなプロの実力の世界
では「綱にぶら下がる」事は許されない誠に厳しいものである。これからのビジネス
パーソンもプロである限り、各自が結果を出さないと生き残れない時代が到来した
のかも知れない。
2011/01/16 10:04