人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2011年1月16日

続戦力外通告(ビジネスサプリメント448号)

昨年末もテレビで「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」と言う番組が

放映されていた。チームから戦力外通告をされ崖っぷちに立たされた選手に密着

取材をしている。企業で言えば整理解雇のようなものである。

2010年度は101人が失職、その中にはセーブ王・ホームラン王・沢村賞投手・200勝

投手もいる。今回は3人の選手の取材だった。1人は17年間もプレーをした35歳の

投手で、社会に対応出来る自信もなく、頭も下げたこともないようで、野球しか道

はないと告白されていた。またもう1人は13年間プレーをした野手で、戦力外通告

された時に息子さんが原因不明の難病で入院、奥様は3人目の子供さんが間もなく

生まれると言う時だった。彼は3年前も戦力外通告され他球団へ移ることが出来たが、

アルバイトの経験もなく、野球しか道はないと言う状況のようだ。奥様は息子さん

の看病で付添、自分は娘さんのお世話と大変な時期、とうとう娘さんを奥様の実家

に預けられ家族が離ればなれになってしまった。最後の1人はドラフト1位で入団し

ご両親の支えで頑張ってきた捕手であった。3人共トライアウトと言う再起に向けた

テストを受けると言う、投手18人、野手15人計33人が受験する狭き門である。

投手は4人の打者と対戦、野手は5人の投手と対戦しスカウトの厳しい目が光って

いる。1人目の投手は掛かり付けの整体院に行き体調は万全、娘さんからの励まし

の手紙も受け取ったが、結果は打たれてしまった、2回目のトライアウトまで受け

結果は良くなかったが、ある球団からバッティングピッチャーとしての声がかかっ

て快諾された。

2人目の野手も結果が残せず、2回目のトライアウトに臨み結果が出たのにも関わら

ず声がかからなく、全く新しい道を探されると言う。3人目の捕手は打撃の結果は

出なかったが、捕手のインサイドワークが認められある球団から声がかかり新たな

スタートが出来た。彼は雇用がマッチングしたのだ。このようなプロの実力の世界

では「綱にぶら下がる」事は許されない誠に厳しいものである。これからのビジネス

パーソンもプロである限り、各自が結果を出さないと生き残れない時代が到来した

のかも知れない。

2011/01/16 10:04

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