人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2011年4月23日

内向き指向の決別(ビジネスサプリメント460号)

個人や組織の内向き、上向き、箱文化の怖さが叫ばれて久しい。即ち個人や組織が

内向きの姿勢に決別しなければ次への発展はない、上向きの姿勢では組織は活性化

しないし衰退へ向かう、箱文化とは他の分野のことは全く分からないと言うスタンス

では効率的な組織にはならないと言うものである。

以前に朝日新聞に「さあ踏み出そう」と言う特集記事が掲載されていた。記事による

と去年8月に米ニューズウィーク誌が特集した「世界最高の国ランキング」で日本は

世界100カ国の中の総合順位は9位だったが、上位にはスイスなど小さな国が並び、

「人口5千万人以上の大国」に限れば、日本は堂々の1位だったとある。東日本大震災

により日本は危機管理の時であるが、世界が日本を見る視線はそれほど陰ってはいな

いのではないだろうか、このような時こそ内向き姿勢に決別し世界に目を向けなけれ

ばならないようだ。また教育の達成度は高く、女性は世界一、男性も世界5位の長寿国、

生活の質や治安、技術力は世界有数の水準にあり、表現の自由や民主主義は社会に根

を下ろしたし、国としての総合的な達成は今も世界に胸を張るに足るとある。しかし

視線を外に向ければアジア各国が台頭し、日本の存在感や独自性は埋没しつつあるの

も現実だ。ユニクロでは店長や本部の幹部クラス全員に海外での経験をさせるらしい

し、三菱商事でも若い人は必ず全員海外勤務の経験をさせるようだ。日本では若い人

の内向き指向が進み、海外への留学生も極端に減ってきたようであり、韓国などが

凄い勢いで世界に目を向け留学生も大きく伸びていると言う。これから本当に大切な

ことは一人ひとりの個人が従来の殻を脱ぎ捨て、立ち上がる勇気を持つことであり、

それが個人や組織に活力を付けるものと確信する。即ち「変えるべきものを変える

勇気と、守るべきものを守る信念」で今こそ内向きに決別することが求められている

時はないように思う。この記事の最後に故ピーター・ドラッカーが述べた「いざとな

れば日本人ほど大胆な変化をする国民を知らない」という言葉が印象的であった。

「頑張ろう!日本」。

2011/04/23 09:07

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