人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2011年9月10日

モチベーション(ビジネスサプリメント475号)

先日ある組織で個別気づきヒアリングをしていた時のことである。何でも聴いて欲

しいと言う私のリクエストに対して、ある若手男性の方から「高橋さんのモチベー

ションってどこから湧いてくるのですか?」と質問された。人のモチベーションア

ップのために毎月30人を超える方々の1時間に及ぶ個別気づきヒアリングをしている

私にとっては正直びっくりした。モチベーションとは「動機付け、ヤル気」などと

訳されているが、彼から見れば「1時間もいろいろな方の声を真剣に聴いて相当疲れ

ると思うが、何故そんなにしんどい仕事をされているのですか?」と言う意味だった

だろう。そう言われると「ウーン」と一瞬考えてしまった。長年の人事経験から実際

的な事例をナビゲートすることで「気づいて」いただければと思い始めたが、もう延

べ4000人になろうとしている。最初の頃はビジネス的な考えだったかもしれないが、

最近は「その人が本当に笑顔で良かった」と思っていただけることが生きがいになっ

ているように感じるので、そのようにお答えした。

モチベーションを考える上では「ハーズバーグの動機付け衛生理論」を思い出す。

ハーズバーグはいろいろな職種の構成員の中から仕事中に満足・不満足を感じた

時はどのような状況だったのかを質問してその要因を調べ上げた。2つの要因があり、

まず「動機付け要因」と名づけたものは「達成感」「他者からの評価や承認」「満足

感や成長」などがある。もう一つは「衛生要因」と名づけ「労働条件」「身分」「環

境」などがある。要は衛生要因が満たされても不満足が減少するだけ、動機付け

要因が満たされないと満足は増加しないと言う。私の個別ヒアリングでは「昇給も

昇格」も出来ないが、「個人の気づき」により仕事に「達成感」を持っていただく

ことこそが目的なのである。いろいろな方がおられ、ホンネを引き出すのは最初の

20分ぐらいはこちらも「ホンネ」を出さないといけない、「嫌だ」と思えば相手も

「嫌だ」と思うのである。最近は私自身が「ますます熱くなって」しまうが、それ

に応えて気づいていただいた時の達成感は何者にも変えがたい。何故以前にそのス

タンスになれなかったのか悔やまれるこの頃である。

2011/09/10 07:07

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