人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2011年11月21日

変化(ビジネスサプリメント483号)

先日久しぶりにユニクロに行ったが凄い人、レジは長蛇の列ではないか。どうやら

ヒートテックの下着1500円が何と990円に期間限定割引されていたのである。これから

の節電等で防寒シーズンを迎えるのを先取りしたのだ。

小売はまさに変化対応産業である。日経新聞に「挑み続ける」と題してコンビニエン

スストアの記事が掲載されていた。コンビニは100平方メートルほどの店内に約2500

品目の商品が並んでいるそうだ、しかし1年後まで販売し続ける商品は750品目程度に

すぎない、何と7割が入れ替わるのだ。消費者が求める便利さに応え、売場もめまぐ

るしく変わるとある。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長によると、約40年

前のセブンイレブン創業期にはソロバンやハタキも扱っていたが、それが今は電卓や

不織布シートに変わっている。私が社会人になった43年前はソロバンだけしかなかっ

た、5つダマや4つダマなんて言っていた頃、懸命にソロバン練習をしたことがあった。

また最近は家でしか作らなかったお弁当やおにぎりを昔は扱っていなかったが、今や

店頭に盛りだくさんの商品が並ぶ。私も月1回のハイキングには必ずコンビニでおに

ぎりか、お弁当を買っている。またATMやコピー機、公共料金の振込みや宅急便の

受付まで行っている。以前鈴木会長が言われた「我々の最大の競争相手は同業他社

ではなく、めまぐるしく変わる顧客のニーズである」と言う言葉が思い出される。

そう言えば富士フィルムや飲料メーカー等をはじめいろいろな業種が「化粧品」を

扱いかなりの成果が出ているようだ。またタイの大洪水でかなりの被害を受けた

日本電産の永守社長が「水に浸かった設備を新鋭設備に入れ替えることで、40人の

ラインが20人と言う劇的な高効率ラインに生まれ変わる」と述べられていた。

以前の職場で「雨が降らないから傘が売れない」と嘆くのではなく、雨が降らない

時の傘の売り方や提案の仕方が拙いのである。

国の債務がGDPの2倍を超える状態に膨らんだ閉塞感の世の中、もっと変化に対応

して新しいことに挑戦しなければいけないことを肝に銘じたい

2011/11/21 10:01 |

2011年11月15日

リーダーの気づき(ビジネスサプリメント482号)

以前に個別ヒアリングをしたあるチームのお話である。そのチームは他から見れば

リーダーの下に素晴らしいチームワークで成果を残しているとされていた。

メンバーと個別にゆっくりとお話を聞かせていただいたが、どうも様子がおかしい。

リーダーは聞く耳を持たず、一方的に理詰めで攻め立てる、反論できる余地もないし

言っても何倍にもなってかえってくると言うではないか。もちろん私を警戒してなか

なかホンネを言わない方もあったが、最終的にはほぼ全員が「ヤル気」が出ないと

言われたのである。そして極め付きは「リーダーは我々にはいろいろと指示するが、

リーダー自身は何もしない、今更辞める訳にいかず面従腹背している」と言う。

また月曜日が辛く日曜日の夜になると憂鬱になると言う人も多かった。もちろん各人

の性格特性があり、捉え方もいろいろなので各人の目線に合わせて「自分を高めて

いくことが大切、やらされ感だけでは自分が損をする」とナビゲートしたのは言う

までもない。そこで最終リーダーの方とお話をさせていただいたが、物腰柔らかく

論理的にお話される。あなたの信頼されている部下の方はとお伺いしたが名前が

具体的にはあがらない、最後は全員の意識が低いので毎日厳しく指示をしている

とのこと。要はメンバーがどのような気持ちで毎日過ごしているのか良く把握は

されていない。そこでもう少し自分たちで考え自ら動けるようにされるべきでは

ないだろうかと申し上げたら、そのようなことをすればまたまた甘くなり、生産性

が落ちると言われる。したがって言い続けていかないとダメと真剣に思われていた。

しかしそのようなリーダーシップは短期であれば良いが、長くしていると「言われ

たことだけしかしなくなるし、指示がなければ動かなくなる」「また言っている」

と思われるだけで、現に全員のモチベーションが著しく落ちていると指摘した。

今後は各人の性格特性を良く見て個別に指導すること、メンバーと一緒に汗をかく

姿を見せることが大切ではないだろうかと諭した。

その後リーダーから最近はみんなと上手く仕事が進められるようになってきたと言う

嬉しい連絡をいただいたことがあった。

2011/11/15 15:53 |

2011年11月 7日

情熱に勝る能力なし(ビジネスサプリメント481号)

タカラ物流と長崎運送の社長である大谷将夫氏の「貧乏人の発想 金持ちの行動」

を読んだ。何と10年赤字の会社を8ヶ月で黒字化されたのである。印象的だったの

はタイトルの言葉だった。私も常々実践体験から能力と気力と理念が大事と講演で

申し上げているし、ミッション・ビジョン・パッションでMVPが最も大事である

のではないかともお話している。その中でも「気力」「パッション」が一番と解説

されていたのである。もちろん理念やビジョンなき経営は、航路なき航海であり

遭難間違いなしだし、いくら学習しても情熱がなければ、絵に描いた餅になってし

まう。過去のヒアリングで情熱のないリーダーにかなり遭遇したことを思い出した。

ある人は定年までのカウントダウンで全く情熱を感じない、またある人は諦め感蔓延

で気概を全く感じることが出来ないなど様々であった。印象的だったのは、転職され

て全く業務内容が違うのにリーダーになられたが、新しい仕事を覚えようとされない

司令塔なき組織があった。何故なのか聞いてみたがどうもはっきりしない、要は

「部下の方に聞くことは恥」と思っておられるようなのだ。分からなければ聞けば良

い、聞くことにより部下の方との親近感が増すではないか。私が第二の職場で仕事を

した時、全く宇宙に来たような気がした、名前はハンドルネーム、メールは凄い量で

今までは必要なものだけプリントアウトしてもらっていた自分には考えられなかった。

コピーすら出来ない私であったが、正直に仲間に教えてもらったのである。要はこの

人は必死に頑張っているなぁと言う姿を見せればみんな助けてくれたのだ。分からな

ければ分かる人に聞けばポイントはつかめるしマネジメントも出来る。現在は独立し

てもう延べ4000人ぐらいの方々との1時間に及ぶヒアリングをしている、初めての方も

多いが、その方その方で一生懸命に話を聞くようにしている、だからかなり相手の方

もホンネで話していただけるのである。そう!仕事に対しての「情熱」がなければ

いくら本で学んだテクニックを使っても通用しないのではないだろうか。

まさに「情熱に勝る能力なし」である。

2011/11/07 09:06 |

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