人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2012年2月 7日

嬉しい便り(ビジネスサプリメント493号)

先日ご支援していたところのメンバーから嬉しいお便りをいただいた。彼は好き

嫌いがあり思い込みが激しく、周りから誤解されることが多かったし、自己中心

的で組織の中では評価されていなかった。40歳代の半ばで組織では中堅どころで

あったが、過去何人もの上司ともぶつかる、そして周りからは変わり者と言われ

ていた。私と何回かヒアリングをしてみたが、全て他責にする傾向が強い、そし

て内にこもり自分を出さなくなってしまう。最初の数回は彼の言うことを否定せ

ずに良く聴いてあげた、しかし聴くだけでは解決にならない。いろいろと指摘し

改善するように示唆を続けていったが、また配置転換となりそこでも周りのメン

バーと協調できず、私に悩みの連絡が続いたのであった。ある時これが最後だと

言い、真剣に彼の問題点を整理していった。まず自分自身が周りから認められる

業務能力をつけているのか、もし不安な部分があれば必ず努力してマスターし周

りに「さすが!」と思わせること、人の意見を良く聴く耳を持つべきで、もし相手

の立場だったらどのように感じるかを理解出来るようになるべきだと。何か上手く

いかないことがあれば、他責にせず自分の振る舞いがどうだったのかを反省すべき

とも付け加えた。私とお話していると笑顔もあり、話易い雰囲気だが、職場では何

だか難しい顔をしていないだろうかと、厳しく真剣にお話したのである。

要は「あなたが変わらなければ、周りは変わらない」周りに問題をぶつけても何ら

前へは進まない、もう私の最後通告だよと申し上げた。彼はその時、こんなに厳

しく言われことはかってなかったとのこと、「良く考えてみる」との反応だった。

どうやら彼の周りの人達も真剣に彼のことを考えて、助言された方がいなかった

ようである。その後お話する機会がなく、どのようされているのか気になった時、

彼から昇格試験にも受かりヤル気も出てきたと言う嬉しいお便りをいただいた。

彼は今まで自分の立場でしかものを見ていなかった自分に「気づいた」と言うでは

ないか。私も嬉しくなり、祝福の言葉を送り、頑張って欲しいと伝えた。この仕事

をしていて一番嬉しいのは「気づいてくれた人」が一人でも多くなっていただく

ことであるのは言うまでもない。

2012/02/07 09:14

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