清水勝彦氏が日経新聞にウエルチ著「ウィニング」の解説文を掲載されていた。
その中で「パワーポイントで作られた大きな分厚い報告書を作ると、仕事をした
ような気分になる。だが戦略を複雑にしてしまってはいけない」と言う箇所があり、
「あ、そうか!」(A big aha!)が大事とあった。まさに「気づき」のポイントで
ある「あれ、おかしいな?」→「さて、どうしよう?」→「あっ、そうなんだ」の
サイクルと同じことが書かれていた。先日ご支援している企業様で毎年継続されて
いる「気づき提案」の表彰式に参加した。製造現場の社員やパート社員の方々数百
名が参加されている。今までで何と1700件を超える提案があったそうだ、そして
事務局で審査し、経営レベルで優秀賞を決められている。今年も十数件の表彰が
あった。少しご紹介すると「製造現場では全員マスクをかけているが、耳にかける
ので痛くなり、帽子をかぶるからかけにくいとの問題点が出された、そこである人
がマスクを改良してゴムひもを頭の後ろからかけられるものに改良すれば?」と言
う提案を出された。改良版で実践すると装着の時間も省けて、耳の痛さもなくなる、
またわざわざ帽子をさわり耳にかける手間も省ける、そして何よりもマスクのコス
トがダウンすると言うのである。年間数万円の費用削減が出来るとのことで、実践
の効果は抜群、今までの問題点が解消されたらしい。また「コロコロ=(粘着テー
プでホコリを取る)を使うことが多いが、ミシン線ではがしにくく、時間がかかり
非常に手間である。そこで斜めのカットタイプにしたらどうか」と言う提案があり、
導入されたらしい。またまたこれも時間が年間で数十日分の削減になり、費用も
十万近く削減出来ると言うではないか。お話を聞いていて「なるほど!」と納得
するものばかり、製品の品質や製造のスピードもアップするものと確信出来た。
その方々にはトップから表彰され皆さんのモチベーションも盛り上がる、運営は
若手の社員の方々でイキイキ進行されていた。そう「品質向上、スピードアップ」
と声をかけても実践にはなかなか移せないものだが、このように全員が考えること
を癖付け出来れば「やらされ感」は全くなく「達成感」の連鎖が起きるのである。
付け加えればこの企業は厳しい状況下でも素晴らしい成果を残されている。
2012/02/17 07:06