先日の朝日新聞に「頂点の極意」と題して昨年のワールドカップで優勝したサッカー
女子日本代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫監督と、アテネ、北京オリンピック
金メダリスト北島康介選手を育てた競泳日本代表の平井伯昌ヘッドコーチの対談特集
が掲載されていた。人と組織を語る上で非常に参考になる言葉の満載であった。
以下ポイントを解説するとお2人共「精神面のサポート」が卓越されている。佐々木
さんは「絶対に勝たなければいけない状態に追い込むと、失敗を恐れる、しかし失敗
を恐れてはつまらないし、勝てない」「緊張していると思うと、くだらないギャグを
言ってみる、それでリラックスし、澤さんが<頑張ろう!>と言うと盛り上がる」と
言われる。平井さんは主将の松田丈志選手が「僕らのようにオリンピック経験のある
10選手は、初めての17選手に成績を出させてあげるのが役目」と言ってくれる、即ち
個人とチームの目標が一致するようにもっていくらしい。そうだ私の経験上も
「MUST=ねばならない」からは緊張しか生まれてこない、「WILL=このようにした
い」と思わせないと成果は残せないものだった。そして必ず自分の意を受けたナンバー
2をチームに作っておかないとワンマンだけでは難しいことが多い。また「本人に分か
らない才能を見つけてあげる」ことも大切だとのこと。平井さんは「北島選手はもと
もと自分では100メートルが得意だと思っていたが世界新記録を出したのは200メート
ル、寺川選手も200メートルでアテネオリンピックに出たが、今回は100メートル、
本人に分からないような才能を見つけてあげることが大切と述べられている。平井
さんが佐々木さんに「女子を教える向き不向きはありますか?」と言う質問に対して、
佐々木さんは「格好つけないでやれば結構やれる、NTTに入社した時に女性がたくさん
いるなぁと格好つけて疲れてしまった」とも。実は私も百貨店に入社した時、女性の
パワーに圧倒された経験がある。随分昔に新入社員教育合宿で200名あまりの女子の
中で男は私1人になったことがあったのを思い出した。その時思ったことは普通に素直
に自分を出せば、男性であろうと女性であろうと全く関係はない。必死に教える後ろ
姿さえ出しておれば問題はなかった。印象的だったのは平井さんの「人に勝つと言う
より、自分に克てば、相手が負けると言うのが金メダル」と述べておられた。間もな
く始まるロンドンオリンピックでは女子サッカーも競泳もメダルを期待したいものだ。
2012/06/24 07:17