以前ご支援していた企業のリーダーで大変ユニークな方がおられた。このリーダー
はお手伝いした初回に個別ヒアリングを5回もさせていただいた方である。最初は
「話が苦手」であり上手く表現出来ないと言われたのであるが、回数を重ねるに
従って饒舌になられる、そう!典型的な「思い込みタイプ」だったのだ。その後
お電話したり、メール交換したり、時々事業所で立ち話したりと接点はたくさん
あったが良くお話しされるではないか。欠点は自分の得意分野は必死に取り組ま
れるが、やや苦手な分野はしり込みされる傾向があった。その後も何回となくお話
の機会があり、ずばりこのことを指摘させていただいた。部下の方々に彼の様子を
尋ねたが、この頃なんでも自分の分野として取り組まれているらしく、部下の方々
からの評判もすこぶる良い。しばらくしてそのリーダーのメンバーのヒアリングが
始まった。そうすると必ず事前に私にメールが入り、各メンバーの最近の様子や良
いところが記載されているし、最後に「よろしくお願いします」と結んである。
個別ヒアリングは数回実施するのだが、毎回メールが入るし、その時々のメンバー
の様子も記載されている。このようなメールをいただくと個別ヒアリングが非常に
進め易いのは言うまでもない。私も短くコメントしたメールを返すことにしている。
要はこのリーダーは各メンバーに関心があるのだ、即ち関わる心を持って指導に当
たられている。メンバーもそのことを良く理解しているので、このチームはヒアリ
ング以来、非常にスムーズなチーム運営がなされるようになった。リーダーにはこ
のような「熱意」が欲しいものだが、実際は自分のことだけを考える人が多い。
またある時に別のリーダーがおられたが、彼も非常で熱心に部下思いである。しか
し残念なことに部下からの信頼感は薄い。各メンバーにヒアリングで聞いてみると、
良く話は聴いてくれるが、答えが返ってこない、考え方がブレルと言うではないか。
そのことをリーダーにストレートにぶつけてみた。最初は納得されない様子だった
が、自分でも感じられることがあったのか、素直に意見を聞かれるようになった。
その後は素晴らしいリーダーとして活躍されている。ことほど左様にリーダーにも
いろいろなタイプがあり、どのタイプが正解とは言えないが「気づく力」を持った
方が大きく伸びられることは間違いない。
2012/10/10 08:48