人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2013年4月 9日

よそ者視点(ビジネスサプリメント541号)

先日の日経新聞のコラムに「よそ者の視点 ヒット生む」と言うものが掲載されて

いた。組織の活性化には新しい視点を持つ「若者」「ばか者」「よそ者」が必要で

あるが、若者は年々減少傾向、このような時こそ「ばか者」「よそ者」が求められ

る。「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」を運営する「俺の株式会社」のことが書か

れていたが、私は全く知らなかった。立ち食いが中心の店内では、フォアグラや

キャビアなどを使ったメニューが一皿1000円前後と高級店の3分の1程度だそう

だ。女性客を中心に平日から行列ができ、1か月後の予約も即日満杯になるら

しい。もちろん平均所得の高いビジネスパーソンが集まる銀座に集中出店して

いるようだ。タニタ食堂など話題の多いものは東京に集中するのだろうか。仕掛

け人は中古書店を運営するブックオフコーポレーションの創業者の方とある。私

も良くブックオフに本を売りに行くが、店内はいつも一杯で活気があり、時代の

先取りの成功事例ではないだろうか。またアイリスオオヤマはペットの抜け毛を

吸い取る掃除機や犬用ドライヤーをヒットさせた。大山社長は「国内の家電メー

カーは掃除機の開発では掃除機の観点からしか考えない、アイリスは生活者の

視点と日々の売れ筋情報から開発を始める」と話されているらしい。まさに「よそ

者」の視点が大切なのであろう。新しい問題の「気づき」を阻害するものは「思い

込み」だと確信する。私も十数社のご支援をしてきたが、決して中には入りこまず

に「第3者の視点」「よそ者の視点」から社員のヒアリングをさせていただいている。

先にいろいろな情報は集めないようにしているし、社員の方々も社内では言えな

いこともどんどん話される。経営者の思いとは違うことが出てくる事がしばしばあ

るし、言われたその言葉の中に大きな問題点の解決策が秘められていることが

多いものだ。大阪の流通業競争も激しさを増してきたが、梅田阪急百貨店の劇

場型店舗も、ものを売る視点からだけではなく、大きな広場を作りいろいろなイベ

ントを行い注目されているが、物売り視点からの脱却であろう。世の中アベノミク

スで不況期から脱出の可能性が出てきたが、このような時は今までよりもより以

上に「よそ者視点」が求められるのではないだろうか。

2013/04/09 16:07

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