人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2013年4月21日

ピックニックの法則(ビジネスサプリメント542号)

先日朝日新聞の経済気象台というコラム欄にピクニックの法則と言う面白い記事が掲載されていたので紹介する。内容は最新の行動分析科学には「PIC/NIC(ピクニック)の法則」と呼ばれるものがあるらしい。
ある行動を①褒めるか(Positive)、叱るか(Negative)②直ちに行うか(Immediate)、将来か(Future)、③確実か(Certain),不確実か(Uncertain)の組み合わせで見ると、その効果や結果が大きく異なると言うものだ。このうち、「褒める・直ちに・確実に(PIC)」が最も効果的に行動を持続させることが出来るとある。私の経験上も全くその通りだと感じる。最も効果がないのは、褒めるにしろ叱るにしろ「将来・不確実(PFU/NFU)」であることは言うまでもない。「叱る・直ちに・確実に(NIC)」の効果はPICに次ぐとあり、つまり叱責にもある程度の効果があることも分かっている、しかしこのブログ537号に掲載した「叱り方検定」になじめない気持ちに変わりはない。
問題は叱ることが叱られる側の行為を持続させることが出来ないことが多いとも述べられていた。最近のスポーツ界での暴力や教育界での体罰は閉鎖的な組織の特徴でもあり、到底認めることは出来ない論外の問題である。また褒めるも叱るも時間をおいてはいけないし、不確実な要素だけで決めつけてはいけない。私も経験したが、その場で言わずに、目についた現象だけで叱って大失敗をしたことも多々あった。
私が社会人になった時にある役員の方に次のようなことを尋ねたことを思い出した。何故聞いたのかは失念したが「素早い判断が良いのか、確実な判断が良いのか?」と。その時の答えは忘れられないものだった、「もちろん早い判断だ、もし間違っておれば直せば良いが遅い判断は取り返しがつかない」と言われたのである。もちろん判断する内容にもよるが社会人1年生の私にとってはこの言葉は非常に重いものだったことを思い出した。
このコラムの最後に連合艦隊長官の山本五十六氏が述べた「やってみせて、いって聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」とあったこの言葉の内容が今の世の中に最も求められているような気がする今日この頃である。

2013/04/21 21:00

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