先日の日経新聞「経営の視点」に減りゆく革新的リーダーと言うコラムが掲載されていた。世の中アベノミクスで経済界を明るくしているが実際に経済成長させるのは「企業経営者の仕事」である。
掲載されていた求められる経営リーダーの条件は5つあり第1に、前例踏襲や先入観を排す「自由な精神」の持ち主でなければならないとある。過去の成功体験にすがっていては前には進まない。「前例がない、だからやる」のマインドが大事なのである。元職で雨が降らないから雨傘が売れないと言う時に、従来の売り方から「ファッション性のあるものを前面に並べて、姿見を増やす、雨が降れば機能性の高いワンタッチのものを前面に出す」と言う売り方に変えたら、空梅雨にも関わらず売り上げを伸ばしたことを思い出した。第2に社内の空気を変えるために「率先垂範」が大切とある。良く「明るくあいさつをしよう」とスローガンはあるが、トップ自ら先には声をかけないと言うことではダメである。また「後出しじゃんけん」のように結果論から評論ばかりしていては何にもならない。現場は「今更そんなことを言われても」と思っていることが多いものだ。第3は人の心を一つにするには、やはり「人間的魅力」が重要とある。指示命令だけでは成果は出てこない、社員に接する真剣な態度や熱意が感じられないと周囲の「信頼感」は醸成されないのではないだろうか。信頼感がない企業は表面的には分からないが「面従腹背」が多いのも事実であるし、真の成果は出ていないことが多い。一番大切なことは「現場目線」であり、トップは現場に入り声をかけることである。お手伝いした企業で深夜作業を伴う職場があったが、彼らの声は「深夜手当はもらっているがトップは我々の辛い仕事を理解しているのだろうか?」と言う声があり、早速トップ伝えて、深夜に現場に入ってもらい「缶コーヒー」を配ってねぎらいの言葉をかけてもらったことがあった。それからは現場の人たちのモチベーションも高まり素晴らしい成果を残されたことがあった。第4は明確な「ビジョンの確立」である。ビジョンなき経営は「海図なき航海」と同じでどこに漂流するかわからない。ビジョンがあやふやでぶれていては後退するのみである。第5に「修羅場」の経験が欲しいとある、これは直面しない事には何ともならないが、「どのようになっても、もう失うものはない」と良い意味での開き直りの精神が必要なのだ。失敗経験ばかりの私は自分で5つの(あ)を肝に銘じた。それは「あきらめない、あわてない、あせらない、あなどらない、あてにしない」の五つの言葉である。
2013/05/19 15:44