人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2013年7月27日

気楽でまじめな研修会(ビジネスサプリメント552号)

ご支援している企業で初めて中堅社員の終日研修を行った時のことである。
管理職研修や新入社員研修はすでに実施済であったが、今後を担うであろう若手中堅社員の研修会は初めてであった。最初は彼らもかなり緊張気味で固かった。トップの経営理念や彼らに期待することを分かり易く述べてもらったが、みんな真剣にメモをとられている。私は「自立マインドの大切さと気づき」について、分かり易い事例を基にお話しした。もちろんノウファイ(なぜするのか)に重点を置いた研修であり、講義も一方的ではなく双方向で進めていくうちに彼らも雰囲気に慣れてきた。社会人としてのマナー研修も入れて実技指導まで組み込んだ、結構思い違いのマナーも多かったようである。やはり聞くだけではなく、体を動かすと楽しくなるようだ。グループで話し合っていただく時間もかなり割いたが、グループリーダーはお互いに譲り合うことなく、一番年長の方が自然に手を挙げられた。そこでは「何故そうしなければいけないのか?」「そのためには自分たちはこのようにしたい!」と皆で話し合っていただいた。何時も無口だと思っていた方も、どんどんと発言されている。各自発表の場面は、こちらが発表者指名をせずに皆さん自主的に手を挙げられる。自由にものが言える風土がすでに醸成されていたのかも知れない。今まで皆の前で発表することが苦手な方ばかりと伺っていたが、時間の長い人、やや少ない人とさまざまであるが、皆さん堂々とご自分の意見を言われるではないか。
きっと今までそのような場面がなかっただけかも知れない。また各部門の管理職からの講義もあり、最後に質問の時間を設けた。最初の管理職が話易い雰囲気であったのか、いろいろな質問が飛び交った。ある人は「○○マネージャーは何時も怖い顔をされているが、今日の様な顔で接して欲しい」なんて意見も出て、皆さん大盛り上がりで笑いを誘った。講義と言うよりも双方向のざっくばらんな交流会のような様子、それをご覧になっていたトップもニコニコされている。
私は数多くの研修会を運営したが、こんなに皆さんが明るくて楽しい研修会はあまりなかった様に思う。要は「やらされ感」など微塵もない、普通の研修会はあるべき姿をかっこよく言って終わっても、翌日からは実践されないケースが多いが、どうやら自分たちはどのようにしたいのかを気づき始めた様子である。「ネバーランド」から「タイランド」になったのである。半年後のフォロー研修の約束をして終わったが、私自身が全く疲れなかった研修会だった。

2013/07/27 08:11

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