昨今女性の活用が叫ばれているが、あるご支援している企業の女性社員のお話しである。彼女は百名弱の女性パート社員をまとめる役割を担っておられ、
彼女の下に数名のパート班長を配置し何班かで効率的な仕事の流れを作らねばならないのだ。私がお仕事で一番気を遣っておられることは何かとお尋ねした時に、彼女は「言われたことだけを処理するのは当たり前だけど、自分で考え納得する集団にしなければ良い仕事が出来ない」と明確に答えられた。
実際は現場が忙しくて、ついつい指示するのみで、指示がなければ動かない集団になってしまうことが怖いと言われたのである。その方とのヒアリングでどのようにすれば良いのかを話し合い、新人のパートの方にはやり方だけではなく「何故そのようにするのか」を徹底して伝えて「納得」してもらうようにしよう。そうすると自分で考えるから仕事が楽しいし、「やらされ感」は出てこない、大きな成果が出ると「達成感」が醸成されるのではないかと言うことになり、そのことを実践に移され大きな成果を出されたことがあった。
今大活躍の田中将大投手も偉大な名コーチ佐藤義則氏がフォームを見直して、上半身に力を入れ過ぎだったのを、下半身も使うように示唆され24勝無敗と言う大記録を達成された。その佐藤コーチは育成で一番大切なことは「納得」と言われたそうだ。常に観察をして関心を持ち、良いところを伸ばしながら、悪いところを直していく、その過程において「気づき」が出来「納得」するというサイクルなのだ。
前職で明石地区の外商員数名とフリーにお話しする機会があった。彼らは「毎日高速道路が渋滞するのでスムーズな移動がし辛い、朝は混むし、夕刻も渋滞で困っている」との意見が出た。みんなで知恵を絞って考えようということになり、ある人から「明石には駅近くに配達所がある、大きな金庫もあるので貴重品も管理できる、余白のスペースもあり数台は駐車できる、高速道路を使わずに事務所から明石まで通勤快速に乗れば良いのでは?」との提案があった。早速精査したところ、費用は大幅な削減となり、みんなの活動もスムーズになるとみんなが納得。現場の考えた意見であり、配達所と連携し実験的に実践に移して大きな成果を生み出したことを思い出した。今までのやり方を踏襲するだけではなく、「何故?」「何のために?」「それではどうする?」と考え、みんなが「納得」した結論はチームに大きな成果をもたらすことは間違いない。
2013/10/10 08:44