人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2013年11月10日

どちらの目線(ビジネスサプリメント564号)

分厚いマニュアルを見るとうんざりすることが多い。業務マニュアルは実際に自分たちの仕事の内容や方法が記載されているから何とかマスターは出来るが、仕事に於いてのマニュアル頼りだけではそれ以上のものは生まれないと思う。マニュアルは基本であり、応用が出来なければ意味はない。特にパソコンやスマホ、ガラケーのマニュアルは誠に解りにくい。何故なのだろうか?
もちろん私の知識・スキル不足は否めない事実ではあるが、それはメーカーの専門家が作るから解りづらくなるのではないだろうか。使い手の立場を考えて書かれているか疑わしいことが多い。全て理解している人が書くから非常に解りにくいものなのだ。解らない人であればシンプルにどのように表現したら良いのかをもっと考えるべきである。前職での経験だが「お手洗い」の表示をつけているにも関わらず、お客様からのお問い合わせが非常に多かったことがあった。いろいろと考えたのだが「お手洗いの場所」を知っている社員が貼りつけたからかもと言う仮説を立ててみた。「社員目線」であり「お客様目線」にはなっていないのではないかも知れない。そこでお手洗いの場所をご存知ないお客様約30人にお願いして「どのあたりをご覧になりますか?」と3パターンほどお尋ねをして、一番多かった場所に付け替えをしたのである。そうするとお問い合わせがぴたっと止まった経験があり、付ける方と見る方の目線の違いは明らかだった。
PC等のマニュアルもユーザーのご要望通りに書かれていると解りやすいが、機能満載で専門家が丁寧に書くから誠に解りづらいものなのだ。こんな機能はいらないのにと思うことがしばしばである。最近の食材偽装や誤表示問題なるものは論外であるが、「お客様にとってどうなのか?」と言う視点が欠落している証左でもある。
「わが社の常識は世間の非常識」になっていないだろうか。自己満足のマニュアルになってはいけない。誤表示でも千葉県の浦安にあっても「東京ディズニーランド」は許される(笑い)。
前職ではお客様がお買い上げになる場所を「売り場」と呼んでいたが、あるお店では「お買い場」と呼んでいる、またあるお店では「お過ごし場」と呼んでいるようだ。まさに買い手の立場に立って物事を進めると言う発信である。
私事だが愛用したPCのソフトをマイクロソフトのXPから7に変えたがマニュアルを見ても解りにくい、ソフトが違えば何故このように操作が違うのか困っている毎日である。

2013/11/10 08:52

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