最近の企業の不祥事におけるトップのお詫び会見を見ていて、危機になってからトップが力を発揮するというのはなかなか難しいのではないかと思うことがある。やはり平常時にどんなリーダーシップを発揮しているかが問われると感じる。日ごろのリーダーシップ力が有事や危機の時にはっきりと表れてくるのではないだろうか。最近のトップのお詫び会見にはうんざりすることが多い。現場の状況が把握出来ずに、断片的な情報ばかりを聞かされているような気もする、従って述べる言葉がコロコロと変わることが多い。要はトップが「現場が命」であることを忘れているのではないかと思わざるを得ない。
しかしトップといえども現場に直接指揮のしようがない。日ごろから部下との価値観を合わせて、現場を鍛え信頼し、彼らのやることを認める体制ができていれば命令しなくても現場は見事に対処するものだと思う。
危機の時トップは動いてはダメと言われるのは当然だが、動いても良い組織が出来上がっておれば問題は起こらないのではないだろうか。
最近の有事の時や、不祥事の時によく使われるトップの言葉の無責任さやあいまいさの言葉を考えてみた。まずは「遺憾に思う」、これは「思い通りにことが進まず誠に残念である、期待したようにならずに心残りに思う」と言う意味なのだろう。誠に無責任極まりない言葉であるが、非常に綺麗に聞こえるが「あなたの責任は?」と問いたくなる。また「真摯に捉えて」これは「まじめでひたむきに、軽くは考えていません、現在懸命に対応しています」と言う意味なのだろうが非常にあいまいに感じてしまい、何となく理解はできそうだが「当たり前でしょう、いまさら何を言っているの?」と思いたくなる。
「二度とこのようなことが起きない様に取り組んでまいります」も多い言葉だが、どのように具体的にカイゼンしていくのか全くもって見えないことが多い。早急に改善具体策があってしかるべきだ。
また「~ところであります」もよく耳にする。「今継続して懸命に取り組んでいますよ!」と言うような響きに聞こえるからだろうか「結果はどうなるか分かりません」とも受け取れる。
危機の時のトップの一言は抽象的なものであってはいけない、現場目線でどれだけ「納得出来る言葉」が発せられるかが問われているような気がする。
危機をチャンスに変えるのは誠意ある迅速な「トップの言葉」ではないだろうか。
2014/02/01 13:51
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572号の「即気づかれた人」と再びヒアリングをする機会があった。まずお目にかかった最初の表情が大変明るかった。その後の様子をお伺いしたが、タイムマネジメントについては「すきま時間=予定と次の予定の間に生じた無駄な時間」の発見からは更にレベルが上がり、より課題を鮮明にするために、従来あった週報を改善したらしい。従来の週報は「出来たか」「出来なかった」の欄しかなかったが、やるべき事の欄に「予想時間」「優先順位」「出来たか」「実践時間」を追加し、また新たに「予想より早く出来た」「予想通り」「予想より時間がかかった」「先延ばしになった」ものも分かる様にしたそうだ。そして自分は優先順位を考えながら、上手く行かなかったものについて、必ず週ごとに反省をして、次週の仕事に活かしていると言われる。要はより速く、正確に業務を取り組めるようにして日々努力をして成果が出始めているらしい。課題がファジーではなく鮮明になったので時間効率も随分アップしたとのこと。私は週報作成に時間がかかり過ぎて「かなりの負担にならないか?」とお尋ねしたら、初めはやや手間取ったが、もう負担ではなく整理した方が効率アップすると言われ、具体的な成果も専門的なことだったがいくつか教えてもらった。
また後輩の指導も、後輩の週報に補足欄を設けて、予定より時間がかかった理由を自分で考えて赤字で書かせているらしい。そしてそれを基に週末には話し合いをしているとのこと。後輩もゴールがはっきり見えてくるので、非常に意欲的に仕事を進められているようだ。上司から「後輩の○○さんは最近自分から良く意見を言うようになったね」と言われたと笑顔で話されたのは印象的だった。
言い切る力も「結論を先にして簡潔に言う」ことを継続され、相手が何を考えての発言なのかを理解する努力しているとのこと。今までは相手の言うことを理解は出来ても、納得がいかないことが多かったが、相手の発言内容の背景にあるものまで考えると、納得できるものも出て来たと言われる。
今後更にレベルアップしたいと思うことはとの質問に対して、まずは「お客様目線」が一番大切であり、お客様は何を求めておられるのか、どうしたらお喜びになられるのかを考えた仕事に取り組んで行きたいとのこと。彼女は本当に見違えるごとく輝いて、お仕事を楽しそうにされている様子、これからも頑張っていただきたいし、私まで嬉しくなってきた。
2014/02/10 08:41
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ある時50歳代の部下のいない方々の研修会に招かれた。対象者はラインではなく専門職的な仕事で自分に与えられた仕事をこなすと言うスタイルだったのである。また研修のタイトルが「あなたが果たすべきリーダーシップとは?」と言うもので私も最初から違和感を否めなかったのは事実である。
やはりグループワークの研修中に「我々はラインではなく、部下も居ない、そんな状況でリーダーシップを考えるのは難しい」との意見が出て来た。確かに従来のリーダーシップと捉えると難しい。私は長年のキャリアを活かして、技術の伝承役として考えて欲しいし、ラインとその部下のパイプ役でもある。
そして何よりも大切なことは働く仲間として後輩に「気づかせる」ことが求められるのではないかとお答えした。皆さんようやく理解され活発な意見交換が始まったが、どうしても直接指示をし、注意するのは難しいと言う意見が出ていたが、ある人が次のようなことを言われた。「我々はキャリアを積んでいる、今の若い人たちに注意してもなかなか理解してもらえないことが多い、しかし<気づかせる>ことは出来るのではないか。最近の私の事例だが若い部下が上司にぞんざいな言葉で報告をしている様子を見た、こんな報告で良いのかなぁと思っていたが、当然上司は不満足な顔をしている、黙っていようと思ったがその若い人に<あんな言葉づかいはだめだよ!>と言っても、何であなたに言われなければならないの?となる、そこで<今見たけどあのような言い方で上司は理解したかなぁ?>と問いかけた、そうすると自分の言い方を振り返ったようで自分なりに考えている様子、そして再度丁寧に簡潔に、上司の反応を見て言うようになり、上司も良く理解されたことがあった」と発表された。
この事例はトップダウンのリーダーシップではなく、問いかけて気づかせる、自分で考えさせることが大切、また上司と部下のパイプ役にもなっていたのである。私自身も転職した時から部下はいなかったし、直接注意する機会も少なかった。ある時自分の席に年下の社長が来られた、すぐさま立ち上がり手帳とペンを持ちお話しをうかがう姿勢をとったことがあった。その時にすかさず社長が各メンバーに「見ろ!私が席に行くと立ってメモの用意をされたではないか、みんなもマナーを見習うように」と言われたことがあった。
リーダーシップの定義は難しいが、考えさせる、後ろ姿を見せることも重要なリーダーシップではないだろうか。
2014/02/20 09:27
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