人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2015年1月21日

リーダーシップ(ビジネスサプリメント599号)

ある組織でキャリアはあるが50歳代の部下のいない役職名が付いた方々の研修を行った。タイトルは「求められるリーダーシップ」、部下がいないのに何となく進行が難しいのではないだろうかと思って臨んだ。
受講者は50歳代以上、男女半々、事業所はバラバラというメンバー約40人であった。冒頭に私の「気づき」のお話しをして、私も第2の職場では自分の部下がいなかったのでどのように受け止めたか等、具体的な事例を交えた。例えば年下の社長が私の席の方に来られてお話をされた時があったが、私は即立ち上がりメモを持ってお話を聞く姿勢を示した。私にとっては昔からの癖で自然な振る舞いだったが、若い方達は社長が席に来られても座ったままが当たり前の状況だったので、私の行動は奇異なアクションであったようだ。その時社長は「みんな、髙橋さんのような振る舞いが出来るか?上司が席に来たら立ってメモをするのが当たり前なんだよ」と言われたお話しもした。
研修の班別討議を終えて各班からいろいろな意見が出てきた。最初は「年下の上司にはものが言いにくい」「今の若い人達は我々の意見を聞こうとしない」「ライン上の関係でもないのに指摘は出来ない」等々、しばらくすると「愚痴を聞いてあげる、そうするとすっきりした顔になる」「上司と部下とのやり取りを咀嚼してパイプ役になる」「若い上司の相談や助言役になる」「自分のキャリアの深い部分を伝承していく」等素晴らしい意見が出て来た。どれも広い意味でリーダーシップではないだろうか。
その中で2つ素晴らしい意見があったので紹介しよう。
若い上司と部下がやり取りをしている、部下はどうも上司の言うことが理解出来ないようだ。また部下の上司に対する口のききかたもぞんざいであった。それを見ていたキャリアのある方が部下の人に「君の言い方で上司は理解できたかなぁ?質問の仕方を考えた方が良いよ」と助言された。しばらくしてその部下は再び上司のところに行き、自分だけの目線ではなく、上司の目線を持って丁寧な言葉遣いして話が弾み、上司の方も笑顔が出て来たという話である。
もう一つは「我々のリーダーシップはもうこれで良いと思わず仕事に対してどんどんとポジティブな姿勢を示していくことが大事、それを見た若い方達に気づきを与えるのではないだろうか」即ち自分の後ろ姿を見せることがリーダーシップではないかと言われた。
そう!リーダーシップは先頭を切って指示命令するだけのものではない、「気づき」を与えることも大切なことだ。

2015/01/21 09:47

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