人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2007年6月27日

人の気づきの大切さ(ビジネスサプリメント262号)

景気は好調と言われているが、セミナー等で皆さんのお顔を拝見すると、

この頃は始まる前の活気があまり感じられないことがよくある。

本当に景気が良いと感じられているのは一部の大企業と、勢いのある

企業だけではないだろうか?

先日生涯大学でお話した時は皆さんご高齢にもかかわらず明るい

お顔をされているしパワーを感じた。

企業経営のポイントは「人」であることは言うまでもない。

最近、企業の不祥事が続発している現状は嘆かわしいかぎりである。

「人」はモノではない!

何故だろうか?1人1人の持っている力が発揮され、

自主的な「気づき」があまりにも少ない現状である。

「アナログ的」な仕事の進め方が否定され、「デジタル的」に

なりすぎてはいないだろうか?ISOやJSOX法は大変重要で

あることは言うまでもない。しかし、それよりも増して働く人たちの

心がすさんでいてはシステムや規定は機能しない。

個々人の仕事のプロセスや状況を十分に把握し、

的確なアドバイスがあってこそ「法令順守」が出来るのである。

「形を作って魂は入らず」が多すぎる。経営者も含め、

今ほど「人の気づきの喚起」が企業経営に求められている時はないように感じる。

2007/06/27 10:12 |

2007年6月20日

生産性を上げる(ビジネスサプリメント261号)

前回号で生産性を上げようと述べたが、供給を増やしても需要が増えなければ

不良在庫となってしまう。そう!需要と供給のバランスが取れないことには

動きようがない。

以前は「売上げが全てをいやす」と言うことがよく言われた。

最近の企業の連続した不祥事も「売上げ至上主義」が生んだ弊害である。

要は市場が何を求め、それに対して先行してどのような提案が出来るのか?

当たり前であるが「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へと大きく変わっている。

少し遅れて本年も梅雨入りしたが前職で、空梅雨の時があった。

当然傘の売上げが芳しくない。雨が降らないから傘が売れないのだ。しかし

本当にそうだろうか?傘と言う商品は「雨に濡れない」と言う機能性だけと

考えてしまうからである。そこで筆者は現場(売り場)のベテラン女性社員

にどうしたら売れるのか考えてもらった。

そうすると「傘は女性にとってはファッションの一部です。バッグや靴と

コーディネートしてお買い上げになります。姿見を6台置いてください。

お客様は姿見で傘を手にしてトータルのコーディネートを楽しまれるのです。

そして雨が降らない時は出来るだけファッショナブルな傘を全面に出しましょう。

雨の時はワンタッチ式のような機能性の高いものを出すのです」と提案される

ではないか。まさにお客様の心を捉えているのである。

早速売場変えをしたら、何と前年を上回る売上げになった。

モノを生産する工場も、現場の方の工夫や知恵でお客様に喜んでいただける

製品が出来るのではないだろうか。これが今の生産性向上と言える。

2007/06/20 09:56 |

2007年6月14日

雇用の調整弁(ビジネスサプリメント260号)

雇用状況が改善されているようだが、派遣社員やフリーターと言った

非正社員が増え続けているのが実態である。

企業が人件費削減のため正社員を省き、低賃金のパートや派遣社員

への置き換えがまだまだ進んでいる。この10年で非正社員は700万人

も増えている。

実は筆者も大震災により職場が無くなりパートタイマーの

方々を雇い止めにし、紛争になり双方共非常に無駄な時間を使ってしまった。

そう以前は雇用期間の定めのある人達が「雇用の調整弁」として扱われる

ことが多かったのである。今でも景気が良くても、悪化した時調整出来ると

考える傾向が強い。

本人が非正社員で良いと言う考えの方もおられることは事実であるが。

法制もそのような雇用を促進するものが増えてきた。しかし

企業は「人」で成り立つ。「ワーキングプア」なる言葉の拡大は本当に企業に

とって良いことなのか?働く人達の「気づきの喚起」や「モチベションアップ」の

方がはるかに働く人や企業にとってはプラスになると感じる。

経営層の方々から「何を甘いことを言っているのか?」とお叱りを受けそうだが。

自分自身の体験や、企業コンサルをして、人ほど大切な経営要素はないと断言

できる。

非正社員の正社員化を進めて行き、生産性を上げることに注目していきたい。

2007/06/14 00:15 |

2007年6月 7日

共育を考える(ビジネスサプリメント259号)


人を育てることは本当に難しい。それぞれの個性があり、得意・不得意も

大いにある。また育てるのはその人に対する「人間観」を持たないと単なる

伝達に過ぎない。決してスキルではない。

日経ビジネスに元サッカー日本代表監督の岡田氏のコラムがあった。

攻撃は得意なのに、守りが全く出来ない選手がいたそうである。どんなに

教えても試合になると出来ない。そこで「守備が上手い選手を横のポジション

に置くから、守りは考えず攻撃だけに専念しろ」と言われたそうだ。

そうするとその選手は急にディフェンスをこなせるようになったのである。

そう!出来ないことに時間をかけて努力させるよりも、出来ることを伸ばす

ことにより出来ないことまでもが出来るようになる好事例である。

コーチングが大流行であるが、決して否定はしない。

しかしマニュアル通りで人は変わるだろうか?

岡田氏も言っておられたが「感情的に相手を怒ってはいけない」とあるが、

そうもいかないことがあると。私も1000人を超える方々とヒアリングしてきたが、

時には感情的な言葉を言ったことが度々ある。

でもその一言で相手の方は「気づかれる」ことが多い。

人を教えることは「教育」プラス「共育」ではないかと強く感じる。

2007/06/07 09:39 |

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