収入や権限などの面でふさわしい扱いを受けていないのに残業代を
受け取れない方が「名ばかり管理職」と呼ばれ、最近は大きな
社会問題になっている。
人件費の削減も大事だが、それ以上に「健康管理」や「モチベーション管理」
の方がもっと大切なことを理解しなければならない。
「名ばかり成果主義」も大きな弊害になっている事例も多く、
プロセスを見た上での成果を忘れている。
経営の立場の方は真の問題に「気づき」考え方を変えないと
結果として大きなマイナスになることを認識しないといけない時代なのだ。
前職の在職中に、閉店後の空調を残業届出数によって管理していたことが
あった。ある夏の暑い日の閉店後に店内を回ると、残業する方々が汗だく。
設備担当の方に、残業人数届けを確認すると、空調を延長する人数では
なかったので止めてしまったとのことだった。その日は特別に空調の延長依頼
をしたところ、残業する方々の顔に活気が出てきたのである。
それからは必ず責任者の当番で現場を巡回して空調を延長するのか、
しないのかを確認するようになった。結果として光熱費は増えたが、
残業代は極端に減った。そしてトータルした管理費は10%も減ったのである。
「名ばかりコスト削減」をしていることが、働く人達の生産性を落とし、
モチベーションを著しく落としていたことに「気づいた」事例を思い出した。
やはり「現場こそ命」であり、働く方達の実態を把握せず小手先の制度や
規定で運営する恐ろしさを実感しないと大きな失敗をすることになる。
2008/04/24 21:38
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4月から40歳から74歳の国民5千6百人を対象に、生活習慣病を
減らすための「特定健診・保健指導」が始まった。
メタボリックシンドロームを予防し減少させるためらしい。
健診の基本は腹囲測定で、男性は85cm以上、女性は90cm以上
の人を対象に血圧、血糖、脂質などの値を加味して生活習慣病になる
リスクの高い人をふるい分け指導すると言うものだ。
私も4月に人間ドックに行ったが幸い腹囲は範囲以内で、
どうやら大丈夫のようだった。しかし異常にチェックされているし
何だか変な感じがしたのは私だけではないだろう。
これは個人のメタボであり、組織のメタボ診断も凄く大切な問題と感じる。
組織のメタボはメンバーに自覚症状がなく組織体を蝕んでいく。
段々と進んでくるとその組織は破綻の危険性も出てくる。
私の組織メタボの診断項目は
①仕事に埋没し、時間が足りないなど他責傾向にないか?
②仕事がパターン化してカイゼンの努力がなされていないか?
③仕事の目的意識が欠如してしまい、手段が目的になっていないか?
④5つの「あ」(あきらめる・あわてる・あせる・あてにする・あなどる)が蔓延
していないか?
⑤問題点を「先送り」してしまう傾向がないか?
⑥出る杭は打たれると言う風土になっていないか?
⑦P→D→C→AのサイクルでDまでは行くが「C」がなされず
やりっぱなしになっていないか?
このようなことを現場の方々にお伺いすると必ず何処かの項目で
引っかかることが多い。その時は速やかにトップ自ら体質改善しないと
破綻が大きな口を開けて待っているものなのだ。
2008/04/17 06:17
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モーガン・マッコールと言う方が「人が変わらない理由」を分析されて
いたのを目にしたことがあった。抜粋すると
①何をどのように変える必要があるのか分からない
②時間と凄いエネルギーが要る
③役割モデル(手本となる人物)がいない
④未知に対する恐れがある
⑤今のままが良く変わりたくない
⑥他の人も変わっていない
⑦変化に対する刺激誘因がない
⑧忙し過ぎると逃げてしまう
⑨支援が得られない
⑩以前に変化を試みて失敗した
などなどがあった。
どの項目をとっても「個人の思い込み」が強すぎるのである。
私はこのような項目の思い込みを無くす「道案内」をしている。
そこから主体的な「気づき」が生まれるのである。「道案内」に正攻法は
ないし各人の性格特性に応じてメリハリを持たせている。
要は「変わらなければならないと言う良い意味での切迫感」さえ持って
もらえば良いのである。
「守」「破」「離」と言う言葉があるが、「守」は教えられたことを守っていくこと、
人の話を聴き自分で学んでいくことなのである。
「破」は守るだけでなく学びから自分流に「工夫」し試してみることが大切なの
である。そうすれば「離」につながる。教えられたことから少し離れ自分の学んだ
ことを発展させ時代にあわせて工夫を繰り返してこそ「変わる」ことなのだ。
そして忘れてはならないのは変えるべきものを変える「勇気」と
守るべきものを守る「信念」を大切にして、
それを峻別する叡智を持つことこそ今の時代に求められる。
2008/04/11 07:07
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この頃時間の早さを凄く感じるようになった。
お正月を迎えたと思ったらもう桜が満開の季節である。
何でこんなに時間が早く経つのだろうと考えてしまう。
こんなことを思っていると先日の日経新聞に「団塊とジャネーの法則」
と言うコラムがあった。時間の長さの主観的評価は人の年齢の逆数に
比例するそうだ。
この経験則を心理学でジャネーの法則と呼ぶらしい。年齢と言えば最近、
後期高齢者医療制度と言う呼び方が出て来たが嫌な響きだ。
さしずめ団塊の世代は前期高齢者なのかと思ってしまったのは私だけでは
ないだろう。子供は時間の経つことなど全く意識しないが「年をとると時間の経つ
のが早くて、一年なんてあっと言う間にすぎる」ものなのだ。
しかし格差社会と言われても時間だけは万人に平等に与えられている。
私も何かに熱中しておればあっと言う間に時間が経つことが多いが、
何もせずだらだら過ごすと時間は長く感じることがある。
日々充実した過ごし方をしておれば時間経過など関係はない。
そう時間を感じるのは「心の持ち方」ではないだろうか。
サムエルウルマンの「青春の詩」には「青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ち方を言う、年を重ねただけで人は老いない、理想を失うとき初めて老いる」
とある。これからは「セカンドキャリア」における「理想」を失わないようにすれば
ジャネーの法則などあてはまらない。
時間が経つのが早いなぁと思うのはそれだけ充実した生活を送っているとも
言えるのではないだろうか。
2008/04/04 05:51
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