人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2010年1月31日

叱る(ビジネスサプリメント404号)

以前から「叱る」と「怒る」とは違うとよく言われてきたものだ。

「叱る」は愛情、「怒る」は感情が入ると説明されることが多く、感情的に

ならず、愛情を持って指摘するのが「叱る」と言われることが多い。確かに

その通リだが、また少し違った考え方もないだろうか。

人に注意する時「今から叱る」のだから「愛情」を忘れなくしようとか、

腹が立つが「感情的」にならずにおこうと思ってその場に臨むことは少ない

のではないだろうか。私自身の経験で「怒られた」のだが後で「叱られた」

のだと思い返すことが良くあった。そう!最初に述べたことは基本ではあるが、

お互いの信頼関係が構築されておれば、叱る時に「思い切り感情を入れ込んでも

おかしくはない」と思う。手を出すのはもってのほかだが、机を叩いて大声で

どなりつけることも場合によっては愛情表現かもしれない。いささか乱暴だが

「アホ・ボケ」なんてパワーハラスメントになるような言葉も効果的なことも

あるだろう。しかし「相手に対するリスペクトマインド」がなくては単なる怒り

の感情発散になってしまい、何の効果も出ない。また叱る時は1人で周りに人が

居ない時にすると言う説も良く聞くが果たしてそうだろうか。筆者が随分昔ある

ミスを犯した部下に対して「ボケ!辞表を出せ」とどなったことがあった。

しかもみんなの前であったが、周りには緊張感が漂っていた。問題点の重要性を

全員が共有したのである。但し打たれ弱い人には禁物である、そのことで立ち上が

れないことが生じる。人を見て対応しなければいけないことは言うまでもない。

叱った部下とは「絶大なる信頼関係が築かれていたのである」、その後「カッーと

なってしまったが、あのミスは今後絶対にしてはならないと思い、荒い言葉や態度に

なってしまった、ごめん!」と事後一言添えたのである。その後彼との関係も極めて

良く、彼はその失敗を2度としなかった。愛情や感情論で語るのはたやすいが、

一番大事なことは「叱る」にしても「怒る」にしても相手に対して

「人としての尊敬の念」がなければならないと言うことかもしれない。

2010/01/31 11:30 |

2010年1月24日

メタボな心(ビジネスサプリメント403号)

最近個別ヒアリングをして感じることは自分自身の悩みや迷いで「心がメタボ」

になっておられる方が多いように思う。即ち心に贅肉がついており、マイナス思考

になってしまっているのである。ポジティブな考えがいっぱい詰まってふくよかな

心であれば問題はないが、ネガティブな考えや感じなくてもいいストレスは贅肉と

なる。無意味なプライド、固定観念、こだわり、頑固さ、自負心、どれも自分を

変える時には不要なものではないだろうか。

今は50歳代で早期退職をされる方が増えているが、当然心に贅肉がついている方が

多いと思う。一つの企業で1000人規模の退職も珍しくなくなってきた。

部長だ、課長だと言われて部下に長年指導もしてきたし、実績には自信があった。

それがいきなり、ネクタイを締めなくてもいいし、出社もしなくていい、好きな

だけテレビ見ていてもいいのである。環境の急変に戸惑うためにせめてプライドや

過去の実績にしがみついて安心していたい気持ちは良く理解出来る。しかし心に

贅肉がついた状態ではどこも相手にされない。無駄なものであればそぎ落として

おくべきである。過去の成功体験は決して無になるはずはない。活かすべきところ

は活かし、捨てるべきところは捨て去るのである。そうしなければ、本当に今こそ

身につけておきたい知識や情報がキャッチ出来なくなってしまう。心がスリムに

なっておれば、何かものを見たり聞いたりしてもすぐ自分のものになる。贅肉を

落としてどんどん吸収しようと貪欲になる方が鋭敏になりポジティブ思考になっ

てくるのではないだろうか。転職しても以前のこだわりに縛られて「○○では」

「前の会社では」「元の会社では」と言うような「出羽(では)の守」になって

はいけない。良い意味での開き直りが大切であり、自分に素直になりきることが

大事である。こだわりに縛られた自分のワールドから抜けだしてメタボな心を

スリムな心に変えていくことが大切だと痛切に感じるこの頃である。

2010/01/24 07:54 | | コメント (1)

2010年1月17日

リーダー育成(ビジネスサプリメント402号)

厳しい経済環境下においては早期に強いリーダー育成が求められていることは言う

までもない。以前元職場では5泊6日の新入社員合宿研修を実施していたが、新入

社員7名に対して先輩社員1名をリーダーとして付けていた。班員全員の責任は全て

リーダーにあるのだ。即ちリーダーにはフォロワーが現実に存在するのである。

むしろ新入社員研修と言うよりもリーダー研修の意味合いが強かったかもしれない。

リーダーは全員の名前や顔や性格を把握し常に見守らないといけない、脱落者が

出れば全てリーダーの責任である。メンバーは飲み込みの早い人や、やや遅れる人

もおりさまざまである。画一的な指導だけでは上手く行かないケースが出てくるし、

理論の世界ではなく現実の世界なのだ。もちろん事前にリーダーには「あるべき姿

や役割」を十二分に教育はしているが習得したことと実際はなかなか上手くかみ合

わないものである。あるリーダーは相当悩んでいたので個別に話を聞いてみたら、

メンバーがバラバラでみんな自分のペースで動き統制が取れないと言う。そこで

メンバーの中で一番信頼がおける人はいないのかをたずねて見ると、こころあたり

があるようだったので、その人を自分のサブリーダーにしたらどうかとアドバイス

した。早速サブリーダーを決めたらチームの動きが良くなり全員のベクトルが合って

きたというではないか。またあるリーダーはサブリーダーを当番制にしてみんなが

経験出来るようにし上手くまとまったチームもあった。なかなか上手くいかない

チームもあったが、寝食を共にして自分の後姿を見せると最後には一体感が醸成

されるものである。リーダーのタイプには「放任」「カリスマ」「自主」などいろ

いろなタイプがあるが、その時の状況に応じて使い分けなければならない。それは

実践の場でしか習得出来ないものであり、フォロワーのないリーダー研修はなかなか

身に付かないものなのである。新入社員も入社後はリーダーにいろいろとアドバイス

を受けていたし、リーダーになった方々はその後ご自分の職場でもリーダーとして

あるべき姿を十二分に発揮され活躍されていた。

2010/01/17 08:57 |

2010年1月 8日

戦力外通告(ビジネスサプリメント401号)

年末のテレビで「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」という番組が

放映されていた。「戦力外通告」とは主にプロスポーツにおいてチームに所属

する選手に対して、既に自チームの戦力構想から外れていることを通告すること

だそうだ。この番組は毎年放送されているらしくその年に在籍していたプロ野球

チームから戦力外通告を宣告され崖っぷちに立たされた選手に密着取材をして

いる。今年は4人の選手の取材だった。企業で言えば「解雇」されたのであるが、

野球一筋の選手には誠に厳しい局面であった。再起に向け奮闘する姿は痛々しく

もあった。トライアウトと言う再起に向けたテストがあり、その合否でカムバッ

クできるか否かが決まる。主に2人の選手のトライアウトが映し出されていたが

1人はピッチャーで未だに剛速球が投げられる選手、もう1人はキャッチャーで

守備は抜群だが打力が今一つと言う内容であった。ピッチャーは4人の打者で3人

も三振で打ち取った、キャッチャーは5打席無安打で守備を見せる場面が無かった

のである。トライアウトの合否結果を待つ心境はいかばかりだったろう、また

そのご家族もしかりである。結果はピッチャーの方は不合格、キャッチャーの方

は違う球団に入団することが出来たのだ。他球団からは必要とするポジションで

あるのか否かで判定されたのであり、雇用のミスマッチが起きたのではないか。

プロスポーツの世界は誠に厳しい、大相撲の世界でも大関が2場所負け越せば

その位置から陥落するのである。その後数日して楽天の山崎武司内野手のニュー

スが掲載されていた。彼は2004年にオリックスの戦力外通告を宣告されたので

あるが年末に2億を超える額で2年契約することが出来たのである。ここまで来る

には相当な努力をされたことだろう。プロの世界はまさに「実力」の世界であり、

ぶら下がる綱はなく自分の力しかないのである。一般企業ではリストラや希望

退職の文字が氾濫しており、安心して働けない状態でもある。同じプロである

ならば「綱にぶら下がる」ことは許されない。これからは「企業内に従属する

状況から」から「企業内で自立し強みを持った」人材になることが求められて

いるように思う。

2010/01/08 15:44 |

2010年1月 1日

新年を迎えて(ビジネスサプリメント400号)

            あけましておめでとうございます


「気づき」がなければ、新しいアイデアは生まれない

「気づき」がなければ、何が問題かもわからない

「気づき」がなければ、カイゼンすることもできない

「気づき」がなければ、失敗は失敗のままでしかない

「気づき」がなければ、チャンスも活かせない

「気づき」がなければ、昨日と今日は変わらない

「気づき」がなければ、変化の先取りができない

「気づき」がなければ、支援も得られない

「気づき」がなければ、思い込みが消えない

「気づき」がなければ、負のスパイラルにおちいる

「気づき」がなければ、変革はできない


「気づきは知識をつける」「知識は意識を変える」「意識は行動を変える」

「行動は結果を変える」「行動結果を検証してこそ成果となる」

 本年は気づきの力で良い年にしたいものです!

           (お蔭様で400号を迎えました)

2010/01/01 08:07 | | コメント (1)

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