人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2012年1月30日

文句があるなら直接に(ビジネスサプリメント492号)

あるところでヒアリングをしていたら、非常に気の優しそうな若手女性から

「他部門の上位職の方から自部門の上司のことを長々と悪く言われた」とのこと、

その言葉を聞いて何だか嫌になってしまったと言うのだ。もし自分の上司のこと

で気になることがあれば直接言って欲しいし、自分はそのことを言われた方に

進言する勇気もなく大変落ち込んだとのことだった。

この話を聞いてまともな意見であり、その方に「あなたが正しいしその気持ちを

忘れないようにして欲しい、そして多分直接言われないのは言っていることに

自信もないし、気の小さい方ではないか、また言われている内容も多分好き嫌い

から来るものだから無視しよう」と助言してあげた。そうですね!と明るい顔にな

られたのが印象的だった。よくある話しである、私も随分昔に直属の上司のことを

ある方から「彼はダメだよ!仕事も出来ないし期待もできない、君はあの人の言う

ことを聞いてはだめ」と言われたことを思い出した。それを聞いてそのまま直属の

上司に伝えることは出来ないし悩んだことがあった。何故上司に直接言われない

のか?そう!気が小さいのである、また嫌がられたくない気持ちも先行しているし、

ひょっとしたら上司を蹴落としたい輩かもしれない。直属の部下に言うとはあまり

にも人間としての人格に欠けているし、聞いた方も言った人を信頼しなくなる。

ただ残念なことに自分が直属の上司の後を狙っているような輩は、その意見に

同調し同じ内容を膨らませて周りに言うこともあるのではないだろうか。そのよう

な人達がいる組織は間違いなく腐っているし、言った本人は周りからは認められ

なくなる結末を迎えるものだ。ただ「褒める」と「指摘」については褒める時は

周りに言うと倍増して本人に伝わることが多いし、指摘は直接本人に言うと効果が

出るのは言うまでもない。私も出来なかったが、もし他の人から上司のことを悪

く言われたら「その内容を上司に直接言ってください」と言えるような人材に

なりたいものだ。

2012/01/30 07:14 | | コメント (1)

2012年1月21日

リーダーとは(ビジネスサプリメント491号)

年初の日経ビジネスに「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督のコメントが掲載

されていた。昨年のFIFAの女子世界最優秀選手に沢穂希選手、そして女子チーム

世界最優秀監督に佐々木監督が選ばれたことは明るいニュースであった。

佐々木監督は今日本のリーダーで最も注目されている方ではないだろうか。

彼は次のように述べておられる。「分かってくれないと、相手に責任をなすりつけ

ているようではいけません、マネージャーである私自身の考えが間違っていること

もある。その際、監督が間違っていると、選手が言ってくれる。そこで、自分の

問題に気づかされます。真っ当な指摘であれば、当然受け入れる。選手の言動に

よって監督が学ぶことはたくさんあるのです。部下が、間違っていると素直に言

える体制作りは必要ですね。トップの過ちを部下が言える風通しの良い環境が、

お互いにとっての信頼関係を構築する条件になるからです。経験が豊富な指導者

とはいえ、下の意見をないがしろにしてはいけません。何も言えない空気になれ

ば、選手ばかりか、上司である本人の成長も望めません」と。

何時も私がお話している内容の核心を付かれた発言だった。まさに「現場こそ命」

であり机上の空論では崩壊と言う危機が口を開けて待っているのだ。今でも私自身

がトップになった時に本当に現場の真の意見が伝わってきたのだろうかと反省する

ことが多い。何でも言えるなんて嘘、それは形だけと言う見方もあるかもしれない

が、やはり生き残れる組織とは「気楽にまじめな話が出来、異論の場合は必ず自分

の考えが述べられる風土」が必要となる。「聞いていない」と言うリーダーは自分

の姿勢に問題はないだろうか。「面従腹背」ではどこかで綻びることは自明の理、

部下の立場で「NO」と言う勇気の大切さ、上司の立場で「聴く」度量を持たないと

いけないことを経験したからこそ、イエスマンばかりの組織は大きくつまずくと言

い切れる。なかなか結論が出ず先送りする、強引に納得させずに引っ張っていくな

どの事例が多いのは、世の中の閉塞感が蔓延しているからであろう。但し真の危機

のときは力強いスピーディーなリーダーシップが求められることは言うまでもない。

2012/01/21 20:33 |

2012年1月13日

人間関係(ビジネスサプリメント(490号)

先日の日経新聞プラス1に人間関係をよりよくするためのランキングが掲載されて

いた。1位は「ありがとう」と「ごめんなさい」は必ず言うであった、確かにこ

の言葉は気持ちがないと始まらないし口に出してこそ相手に伝わる。

2位は笑顔で明るくあいさつをする、これは自分も相手も元気になるものだ。

3位は了解した約束は守る、実行出来ない約束はしない、約束が守れなければその

人の「信用残高(今まで積み上げた信用)」が急激に減ってしまう。

ちょっとした言動で信頼されることもあれば、信用を失うこともあり人間関係の

難しさを感じる。では職場の中ではどうだろうかを考えてみる。

やはり相手の期待に応えることが大切、ましてや約束を守らないことはタブーで

ある。お手伝いした職場で書類の提出期日を守れない、納期を守れないなど部門間

でもお客様にも不信感が生まれる事例をよく見かけた。また部下が上司に提案して

も、上司から答えが帰ってこないと2度と言う気になれないと言う方も多いのでは

ないだろうか。また職場の雰囲気を良くするためにはと言う問いかけに、明るく

笑顔であいさつをすると言う意見が必ず出てくるが、実際にはなかなか難しいよう

である。朝はどうしても声が小さくなるとか、あいさつは部下がするものだと決め

込んでいる上司もおられる。あいさつとは「あかるく」「いつも」「さきに」

「つづけて」するものであり、欲を言えば「つづけて一言」が必要ではないか。

「今日はものすごく冷えますね」とか「今日は良い天気ですね」などを入れると凄く

良い雰囲気になるような気がする。

また報告・連絡・相談は徹底すべきものだと思う。ついついこのようなことまでは

と思い報告を怠ってしまうと、そこから不信感が芽生えてくる。知らなかった、

聞いていなかったなどの言葉が出る職場の生産性が悪いのは必然であろう。

情報に囲まれたC世代と言われる言葉があるが、コンピューター、コミュニティー、

クリエイティブ、チェンジよりは、やはり人間関係の基本であるコミュニケーシ

ョン、コラボレーションが一番大切ではないだろうか。

2012/01/13 12:53 |

2012年1月 5日

実感(ビジネスサプリメント489号)

そろそろ新年の活動もスタートしたようだ。

年末の朝日新聞に「患者を生きる」と題してある難病に罹った方の記事が掲載

されていた。苦しい闘病生活をされ、克服された後の考え方が全く変わられた

ことが克明に述べられていた。退院されてご自宅に帰られると「ささいなことを

新鮮に感じ、郵便局まで自分の足で歩いていけることに感激、好きな魚も食べら

れる、日常生活ってこう言うことなのだ」、また「落ち込む暇もないくらい楽し

くしていれば、きっと再発も防げるのではないか」「家に閉じこもるのも良く

ないし、出来るだけ外に出てみよう」と述べられたとか。

私も病ではないが50歳代半ばで失職の経験をしたが、その時は本当にあせった

ものだった。日頃の生活が当たり前になると誠に怖いものではないだろうか、

家に閉じこもってしまうとますます気持ちが萎える。外に出てみると何となく

自分が1人だけ取り残されているような気分になる。人に会っても名刺が出せない、

ネクタイを締めない生活が続くともう立ち直れないのではないかと思ってしまう。

この厳しい経済環境の中、多くの方々も同じような思いを持たれているのではな

いか。このような時こそ、今までのことにこだわり過ぎの自分があり、「過去を

振り返ってもあまり意味がなく、気持ちを切り替えてこれからどのように生きて

いくか」にチェンジすることが大切になってくる。失職するまで私は「働ける喜

び」を感じたことがなかったのかもしれない。自分では阪神淡路大震災に遭遇し、

4年間にも亘る震災による労使紛争に巻き込まれ、大型倒産まで経験したことを

「何でこんな目に遭うのだろう」とばかりマイナスにしか感じなかったのが、

この経験は誰にも出来るものではない、徐々に「今を生きようと前向きに考える」

ことが出来るようになったのはかなりの時間がかかったものだ。

あるべき論や評論家の話を聞いても何にも役に立たなかった、やはり実感してこそ

「気づく」ものではないだろうかとも思うようになった。

先日あるセミナーで「人は何故変わらないのか」と、いくつかの質問をしたところ、

多くの方々から「凄いエネルギーと時間がかかるから」と言うお答えが一番多かっ

た。「気づき」は時間がかかるものであるし、自分の底が見えたら人間は実感し

「切迫感」が出てきて気持ちの切り替えが出来るのではないだろうか。

2012/01/05 07:55 |

2012年1月 1日

新年を迎えました(ビジネスサプリメント488号)

今年は「辰(龍)年」、


「辰」は古来中国ではめでたい聖獣として鳳凰・麒麟・亀と共に尊ばれた


ようです。黄河に竜門と言う急流があり、そこを登った鯉は龍になること


から、立身出世の関門を「登竜門」と言い、偉大な人物や王者などは、龍


にたとえられています。


また龍が現れると世界が大きく変わる前兆とも言われています。


昨年は不幸にも未曾有の東日本大震災や、タイの大洪水、欧州危機などが


起きましたが、今年こそ世界が大いなる成長発展の良い年になることを祈念


したいと思います。

2012/01/01 00:11 |

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