人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2015年3月 1日

ワイガヤ会(ビジネスサプリメント602号)

あるご支援していた企業で、トップの方とこちらから人選したメンバーとで自由に話が出来る場面を作ったことがあった。もちろんトップには建前だけの会議ではなく、フランクに「気楽にまじめな話が出来る会議をしませんか?」と投げかけ、トップも面白い、是非やりましょうということになったのである。
いわゆるオフサイトミーティングである。場所は会社から離れたところでジュースやサンドイッチまで出した。参加する人達には初めての取組みでありテーマを決めず「何でもいっていいん会」と称して、「話してみませんか、会社の考え、現場の声」とだけ伝えていたのである。参加する方々や部門の上司も「何が始まるのだろう?」と思っていたと感じる。
最初は5名の参加、みんな就業後なのに定刻前に集まった。年齢や部門もバラバラである。「仕事で疲れているのに何が始まるのか?」という顔をしていた。最初にトップが今回の趣旨を言われ、私は進行役になった。みんな意見は述べられるが抽象的であり、ホンネは言えないという雰囲気になっていたが、こちらが誘い水を出すと、意外に何時も思っていることが出始めて来たのである。笑顔なんかなかったが、少し経つとみんな笑顔である。トップの方も日頃直接伝える機会が殆どないので、分かり易く自分の思いを熱く述べられた。それを聞いてからメンバーからいろいろと思っていること、困っていることなどがどんどん出始めて来た。部門が違っても同じようなことが起こっている。一番印象的で多かった意見は、部門で会議は良くするが、問題提起したことや、提案したことの「回答がないことが多い」とのこと。従って話をする時間がもったいないと言うではないか。上司もおそらく日々の仕事に追われてフィードバックすることが抜け去っているのだろう。
また少しキャリアのある方が、職場でみんなが悩んでいることを、自分たちにも問題があるが、上司も考えて欲しいと言われた。周りのメンバーもみんなうなずいている。どの組織でも問題点はあるものだが、表に出てこないだけではないだろうか。後日トップの方と上司の方々とで問題点を共有され、問題は解決されたのである。本来ラインの問題であるが、どんな組織でも上手く機能しないことが多々ある、そこでこのようなイレギュラーな場面を作って刺激を与えることも組織には必要な気がする。みんなが気づけば組織は強くなり、より労働生産性がアップすることは間違いない。

2015/03/01 09:40

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