先日歴史ある例会セミナーに招かれ鹿児島を訪れた。
ご当地はTVの大河ドラマ「篤姫」で人気はうなぎ上りである。
空港を降りたら平日にも関わらず大勢の観光客で一杯であった。
会場や宿泊させていただいたのは「城山観光ホテル」と言う素晴らしい
場所で行われた。事前に着いたのでチェックイン、翌日の市内観光の
お問い合わせをしていたら、即座に案を持ってきていただき予約まで
素早く対応され有難かった。
また館内の桜島が見渡せる大きな露天風呂(温泉)にはびっくりした。
素晴らしいと思ったのは、何よりもスタッフの方々の自然な笑顔である。
必ずすれ違うとさわやかな笑顔でご挨拶される。誰一人として出来ていない
方はおられなかった。もちろんゴミなどは落ちていない。
従業員の方の「気づき」から来るものであろう。
何か尋ねようかと思う時にはスタッフの方から必ずお声がかかる。
お客様の表情をそれとなく見ておられるのだ。
そう!お客様のご期待値を上回るサービスをされている。それが自然に
出来ているのだ。
朝食のバイキングがまたまた素晴らしい。
地元の名物も数多くあり和食・洋食のコースに別れている。
今まで経験した朝食バイキングでも天下一品である。
このように各地を訪れると地元で頑張っておられるホテルがあると
感動してしまう。ありきたりのマニュアルサービスの時代はもうとっくに
過ぎ去ったと言っても良い。
このホテルにもクレームがあるのだろうか?とふと思ってしまった。
2008/05/29 09:40
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従来の日本型雇用は「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」のご三家で
あったが近年これが見事に崩れ去ってきたのは言うまでもない。
しかし最近の独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると
「終身雇用」に賛成している勤労者の割合が9割近くになったと発表された。
一つの企業に定年まで勤める「終身雇用」を支持する割合は86,1%、
勤続年数と共に給与が増える「年功序列賃金」を支持する割合も
過去最高の71,9%にまでなったとある。
また職業キャリアとして「1つの企業に長く勤める」をあげた割合も過去最高の
49,0%、「いくつかの企業を経験」との回答は24,6%で「独立自営」支持は
過去最低の11,7%になったようだ。
これは最近定職につかないフリーター(つけない要素も大いにある)が増え
「安定的に働きたい」と言う時代背景も大いにあるのだろう。
私が長年勤務した会社を辞職した時は誠に不安であった。
定年まで働けるものと思い込んでいた自分があった。
しかし転職をして「カルチャーショック」を受け目が覚めたことも事実である。
そして転職の「助走期間」があったからこそ現在「独立」出来たと確信する。
仕事に対する考え方はいろいろあるが、実感するのは「ぶら下がらない自己
を如何に確立するか」が最も大事である。独立が必ずしも立派なこととは限らない。
組織の中にいても「自立した自己」を確立することこそが、
この混迷の時代に最も求められているのではないか。
2008/05/22 06:32
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過日の日経新聞で心理学に「学習性無力感」と言う言葉があると
掲載されていた。私もよく事例でお話をするが、気性の荒い魚カマスと
餌の子魚を水槽に入れその間を透明の板で仕切る。
カマスは何回か体当たりを繰り返すが、ムダだと分かると板を外しても
子魚を襲わない、「何をしても仕方ない」とあきらめてしまうのである。
息切れムードの広がる組織に似ている。
実験には続きがあり、別のカマスを水槽に入れると、猛然と子魚に襲いかかる
様子に、無気力だったかカマスが目を覚まし襲い掛かるようになるらしい。
クルト・レヴィンの法則を思い出した。人間の行動をB=f(P・E)であらわす。
Bはbehavior 行動 Pはpersonality 性格 Eはenvironment
環境 fは関数である。例えて言うなら1匹のニワトリがお腹一杯餌を食べたが、
空腹の2匹が混ざり2匹が猛然と食べだすと、お腹一杯の1匹がまた食べだすと
言うのだ。ことほど左様に組織は環境にも大きく影響されることが昔から
理論として引用されている。
組織の中にも猛然と餌に食いかかる人材が必要であるし、
良い環境づくりをすれば周りは必然的に良い方向に向かうものなのである。
なぁなぁでは衰退が待っている。
私は各企業様に入り「猛然と食いかかる刺激役」になろうとしている。
いつも言うことだが5つの(あ)あきらめず・あせらず・あわてず・あなどらず・
あてにせず「学習的無力感」を排除した組織作りが今ほど求められている時はない。
2008/05/15 06:57
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ハーズバーグと言う行動科学者の衛生要因論は今でも真実として生きている。
「衛生要因」の代表的なものは給与とか地位とか職場環境などがあげられ、
人間のモチベーションを高めるが、際限がない。
要は不満足の減少でしかあり得ない。一方「動機付け要因」とは組織における
役割や社会から認められることや、仕事の「達成感」などで真にモチベーションを
高める、即ち満足の増加につながる。
先日日経新聞で「褒め言葉は報酬」と言う記事が掲載されていた。
自然科学研究機構・生理学研究所のグループが「褒められた際の脳の動き」を
初めてとらえたと発表されたのである。
その時に喜怒哀楽をつかさどる部位よりも、食べ物やお金をもらったときに
反応する中心部の血流が活発になったとのこと。
褒められることを脳が「報酬」と受け止めることを示すもので、人間の複雑な
行動を科学的に検証する指標の一つになるという。
脳の中心にある「線条体」という部位の動きが活発になり、お金をもらったときの
反応と一致したのである。
人間はもちろんお金や、地位が上がればやりがいが出てくるものなのであるが、
それだけでは真の「動機付け」にはならない。
「やらされ感」から「達成感」になり、周りから認められ「よく頑張った!」と
褒められてこそ次なるアクションにつながるものである。
このようなことの積み重ねによる脳の「線条体」の動きを活発にさせる
「褒める・諭すというバランスマネジメント」が報酬よりも大切な要因で
あることを再認識したいものだ。
2008/05/08 15:42
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もう言い古された言葉に「成果主義の弊害」と言うものがある。
「虚妄の成果主義」とか「内側から見た成果主義の崩壊」などの本も
上梓され大変な人気だった。あれから数年が経過したが根本的解決
には至っていない。
昭和40年前後から「目標管理」なる手法が流行りだしたが、
未だ定着はしないのが現実である。そう!手法やスキルでこのような
大事な問題は解決しない。
「人が人を評価する」ことは至難の技である。根本的に評価者に「人間観」
がなければならない。しかも「デジタル評価」はかなり難しい。
ポイントは「定量評価」と「定性評価」のバランスにある。
「定量評価」はシンプルで結果が即目に見える。
しかし「定性評価」は良く観察し、話し合わないと見えないのである。
例えば「難攻不落の新規顧客を開拓した」「先を見越して新規計画
を立案した」「人財育成に力を注ぎ部下が大きく成長した」
「目には見えない社会貢献をした」などなど、定性評価は山ほどある。
そして今日本の会社に最も求められているのは
「人財を育成し気づきを与えたか?」と言う項目であろう。
何故なら閉塞した社会でも「企業は人なり」は永遠の課題なのだが、
ついつい怠っている現状を垣間見ることが多い。人間は自分を認めて欲しい
ものなのである。
「数字を追わないと存在が危ぶまれる」ことも確かである。
でもそればかりでは「破綻が大きな口をあけて待っている」ことは明らか。
要は経営者が「企業理念」に基づいて、2つの評価のバランスを如何に
考えていくのかが最も大切な時代を迎えた。
2008/05/01 13:45
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