PDCAサイクルは経営学のマネジメント用語として良く使われている。
P(PLAN)は「計画」、D(DO)は「行動」、C(CHECK)は「評価」、A(ACT,
OR ACTION)は「修正」として解釈されている。Pは「目標をたててそれを
実現するための方法を計画する」、Dは「たてた計画を実践する」、
Cは「実践されたことが計画通りかを評価・検証する」、Aは「くるいを調整、
修正していく」のである。
このサイクルが上手く周ってこそ成果の出るマネジメントが成しえるのである。
逆にこのサイクルが負のスパイラルになってしまっては取り返しがつかない。
私が良くお話するのは組織がメタボ化している場合はPばかりは出てくるが、
なかなかDには移らない、そこに大きな壁を感じることが多い。
また移っても「継続」されないことが大きなマイナスとなってしまっている。
PからDへ移るのは大変なエネルギーが必要だし、継続していくことはもっと
エネルギーが求められる。
先日ある知人から今の時代は、PDCAよりもPがスタートとは考えず、
Cから始まる「CAPDCA」の考え方が重要であると教えられた。
殆どの企業は経営革新が最優先課題であり、既に事業活動を進行している
のである。したがって企業の現実の力に合った計画でなければならない。
経営の現状を内部環境など認識した上で、現実に合った対策を考えて計画に
結びつけると言うステップでなければ、実践が難しいのである。
「CAPDCA=キャップでシーエー」の考え方が今求められていると言うのだ。
「AS IS」を十分把握した上で、身の丈に合った「TO BE」の考え方を大事に
していきたい。
2008/10/29 08:20
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人に接する時はやはり基本には相手に対しての「リスペクト」の気持ちが
なければならないし、それが出来なければメンタルヘルス問題につながり、
組織の生産性を著しく落としてしまうことになるのだ。朝日新聞にも掲載
されていたが、パワーハラスメントの目安は
①相手がNOと言えない
②本来の業務の範囲外
③心や体に被害がある
とされていた。
仕事が出来る上司ほど厳しい言葉を投げかけて相手を傷つけてしまう
ことが多い、「私のやり方に何か文句があるのか?」という言葉を放置
してしまうことは怖いことである。企業のコンサルをしていても、
ベテランを失っても組織は生き返ることが多いと感じるケースに出くわす。
人事担当者は被害者からのサインが出ておれば放置せず「必ず真摯に
聴いてあげる」ことを忘れてはならない。被害者の意向に沿って対応すること、
加害者の言い分とその対応をはっきりさせること、他に被害者がいないかを
確認することは大事なポイントである。
何よりも大切なことはトップのハラスメントを許さない強い意識である。
そして問題が起こる前に自由闊達に意見が交わせる「気楽にまじめな話しが
出来る職場づくり」が出来ていることも忘れてはならない。
また「ハラスメントが起きたことは、組織の弱点が明らかになった」と捉え
組織風土のカイゼンのチャンスと考えたい。
万が一対応が誤ればお互いに不幸なことになり「職場の安全配慮義務を怠った」
となってからでは遅いことを組織幹部は肝に銘じて欲しい。
2008/10/22 08:59
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Harassとは「苦しめる、嫌がらせをする」ことであり、その名詞形が
ハラスメントである。最近はセクシャルハラスメント、パワーハラスメントの
言葉が飛び交いかまびすしい。
セクシャルハラスメントは「男女雇用機会均等法第11条」で雇用管理上
必要な措置を講じなければならないとし、厚生労働大臣の指針において、
事業主が講ずべき措置として9項目が定まっている。
しかしパワーハラスメントは法律で禁止されてはいない。
そこに難しさが生じているのだ。
朝日新聞にパワーハラスメントの記事がシリーズで掲載されていたのを目にした。
「中央労働災害防止協会」のパワーハラスメントの定義は「職場で、職権などの
力関係を利用し、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、
精神的な苦痛を与えることで、働く環境を悪化させたり、雇用不安を与えたり
すること」となっている。
若い人達の忍耐力が弱くなったという言葉だけでは解決できない大きな問題であり、
原因としては成果主義の弊害、非正規社員などの混在、日頃のコミュニケーション
不足など様々である。
「馬鹿だなぁ!こんなことも分からないのか!」「お前はアホか!」「お前がいるから
会社が悪くなる」なんて言葉が飛び交えばとんでもない状態である。
このようなことが原因でメンタルヘルスにつながれば大きな問題となる。
私も随分昔に「ボケ・アホ・辞めてしまえ!」なんて言っていたような気がする。
しかし必ずその日にフォローはしていた。忘れてはならないのは「お互いの
信頼関係がきっちりと構築されている」ことが前提であることは言うまでもない。
2008/10/15 06:41
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最近の新聞に掲載されていたが東京大学で企業などのリーダー
候補生向けの社会人講座を10月から開講されるらしい。
国際的な場で議論を展開出来る人材を育てることが狙いだそうだ。
しかし半年間の受講料が何と600万と言うではないか!
もちろん選ばれた人であり「世界の政治・経済・社会」など幅広く
学習されるのであろう。
確かに凄い企画であり受講料が問題ではないが、殆ど実学しか
知らない私とは「レベル」の差はありすぎる話かもしれない。
つくづく思うが「知識」付けても、それが有事に使いこなせなければ
意味はない。消防訓練で消火器を扱う、人命救助で蘇生法を訓練
するなど良く実施されているが、いざその場になって使えなければ
何にもならない。
そう!「知識」を実際に使える「知恵」にするためには「現場体験」が
必要なのである。シュミレーションではなく本当の現場体験であり、
自分1人でしか解決出来ない場面に出くわさないと持っている「知識」は
生きない。
先日有名なある評論家の講演を拝聴した。評論であるしその場の当事者
ではない。いくらでも言いたいことは言えるが、その立場や置かれた状況の
時に果たして言われていることが出来るのかはなはだ疑問を感じながら聞いた。
結果は誰にでもコメント出来る、結果の出る前に如何に納得できる意見が
述べられるかがポイントである。今の想像を超える金融危機を誰が
予測されただろうか。
基礎知識があるにこしたことは言うまでもないが、同じ船に乗っている状況の言葉と、
キャッチャーボートで本船を見ているのとは違うのではないかと感じる。
この600万が本当に生きたものになっていくことを望む。
2008/10/09 07:26
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今まで数多くの企業を見てきたが破綻まではいかなくても、崩壊していく
組織の共通した現象があるように思う。下記の現象が自分の組織に出ては
いないかを検証して欲しい。
①他責の文化が蔓延(自責の概念が欠落)
・時間がない、人がいない、自分達には関係ないなどの他責の言葉が飛び交う。
②仕事がパターン化し、カイゼンされない
・従来のやり方から脱皮出来ず、ムダ・ムラ・ムリが解消しない。
③目的(何のために)と手段(方法)が逆になっている
・会議をすることが目的になって、話し合わなければいけないことが欠落している。
④先送りする体質が染み付いている
・当面の仕事を優先し、ついつい後回しにした結果手遅れになる。
⑤5つの(あ)<あきらめない・あわてない・あせらない・あてにしない・あなどらない>
の欠落
・一番大事なのはあきらめないこと、あきらめた時点で前には進まない。
⑥出ない杭は打たれないと言う空気が蔓延している
・甘言は歓迎され、諫言は嫌がられてはいないか。
⑦P→D→C→Aのサイクルが回らずPばかりが出てくる
・新しいことには飛びつくが継続しない、結果負のスパイラルになる。
⑧トップが言っているからとやらされる
・実際にはトップは何も知らない場合が多い。
⑨何とかなるシンドロームが芽生える
・まぁ何とかなると言う風土が蔓延し、当事者意識が欠落してしまう。
⑩情報が共有されない
・一部しか知らない、あるいは知らなかっても聞こうとしない。
以上10項目を述べて見たがまだまだ他にも一杯ある。
このような変化の激しい時代に上記のような危険信号が出始めたら早急に
改善が必要なことは言うまでもない。
2008/10/02 07:15
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