空巣老人(ビジネスサプリメント395号)
朝日新聞の天声人語に「空巣老人」なる中国語が掲載されていた。私はてっきり
空き巣狙いの老人と思っていたが「独り暮らしのお年寄り」のことだという。
わが国だけではなく中国も1人っ子政策の影響で高齢者だけ残される世帯が増えて
社会的問題になっているようだ。そうするとまたまた朝日新聞に「平日昼間模様」
という記事が掲載されていた。今各地で猛烈に増えてきたいわゆる「スーパー銭湯」
に平日にリタイヤしたシニアが行かれるケースが増えてきたそうだ。利用料はかなり
お安くてもいろいろなお湯があり、マッサージまで工夫されていて1日ゆっくり過ご
せるのだ。またシニアと幼児の2人連れの姿をよく見ることも多いという。お孫さん
と過ごされている祖父母の方々である。まさに平日の昼間模様が変わってきていると
いう内容の記事だった。最近の社会情勢や経済情勢で若い両親が働かれているケース
が多くなってきた。保育園の空き待ちが凄いとも聞くし社会問題にもなっている。
平日の昼間の様子がかなり変わってきたのであれば、そこに新しいていあんが出来
れば、シニアの生活も変わってくるだろうし、新たな市場も生まれるのではないだろ
うか。そう言えば映画料金が60歳以上は1000円であり、平日はシニアで一杯である。
このような新しいニーズに対応できれば「空巣老人」も孤独ではなくなるし、生活の
質も高まることは確実である。消費マーケットの競争相手は「同業他社ではなく変化
する市場」であると言われた経営者がおられたことを思い出した。世の中マイナス面
ばかりを見ればネガティブに考えがちだが、変化をポジティブに捉えればまた変わっ
てくるものなのだ。しかしその前提にはシニアのセカンドライフがまずは「健康」
「経済」「生きがい」の3本柱がしっかりしなければ成り立たないことは言うまで
もない。継続雇用の延長でイキイキされているシニアも増えてきた。
高齢者や女性が活躍出来てワークライフバランスが確立されてこそ問題視されている
少子高齢化も乗り切れるのではないだろうか。
2009/11/29 07:07 | パーマリンク