人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2015年5月15日

転職について(ビジネスサプリメント607号)

転職された方を多く見ているが、前の会社を辞めたことを悔やむことをしてはいけない。私も倒産後、新たな企業への転職を経験しているが当然文化の違いやギャップを強く感じたものだし、またかなりのストレス耐性も必要となってくることを体感したのを覚えている。
以前ご支援している企業で若手の転職した人があったが、トップの考え方に付いていけず、辞表をたたきつけたらしい。転職先でこのような行動をとること自体がおかしいし、次のステップも上手くはいかないだろう。感情的なものからは何も生まれない、冷静に考えることが求められるのではないだろうか。
一生同じ会社で勤めるという時代ではなくなってきていることも確かである。
30歳が転職可能なボーダーラインと言われているが、本当に年齢だけなのだろうか。私は55歳で転職したが「今までの常識は、新たなところでは非常識」と考えることが出来たと思っている。ご支援している企業でも、退職される方や中途入社される方を多く見てきている。一番大きなポイントは前の会社から逃げたという意識を持って、新たに入ってきた人は上手くいかないケースが多いものだ。上手くいかない人をたまたまヒアリングして聞いてみると「他責」が多い、全て周りが悪いからになっているようだ。従って「自分」が主語にならず彷徨っている。一番大事なのは自分の現状を見つめ直すことだろう。
以前に「踊り場」という言葉を掲載したが「一度立ち止まって越し方を振り返り、何が問題で自分はどのようにしたいのか、そのためには自分には何が足りないのか」を振り返る必要がある。そしてその中で自分自身の問題点を気づくことが大切、気づけば新たな飛躍が必ずあると信じ込むことが必要なのかもしれない。辞めるのは簡単だが、基本的な考え方や自分の考え方の問題点に気づいていないと必ず失敗すると確信する。
55歳で転職した私が最初は「何とかなるだろう、誰かがやってくれるであろう」という安易な気持ちを持っていたが、「自分がしなければ誰もしてくれない」と気づいたので何とかうまく転職出来たのである。転職癖が付くと悪循環に陥り先が見えなくなってしまうものだ。
結果的に転職しなくてもいいから、自分の価値を確かめてみるべきではないだろうか。それこそ一旦着地して、自分自身を点検し新しい力を付けてこそ、転職という新たな旅立ちも出来ると感じる。

2015/05/15 06:12

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