日経新聞に認知行動療法研修開発センター大野裕氏のコラムで「でも」のあと良いことをという記事を読んだ。
「でも」という言葉は大きな力を持っているので、使う時には注意したほうがよいとある。何故なら相手の人が話しているとき自分の考えと違うと、つい「でも」と言ってしまうが、相手の考えを否定することになるし、会話が進まない。
前職時代企画担当の優秀な女性社員と議論した時のことを思い出した。話がかみ合っている時は時間を忘れるぐらいに話題が弾んでいたが、かみ合わなくなると、彼女は「でもね!」と言う癖があった。私はその言葉を聞くと、ついイライラして「でもね!」と言うなと言ってしまったことが何回もあった。もちろん私の発言が的を射たものではなかったから「でもね!」が出たのであるのは言うまでもない。私はそれ以来彼女を「でもねさん」なんて呼んでしまったことを思い出した。今ならパワハラになりそうな言葉である。私も「でも」と言いそうになった時はしばしばあったが、そんな時はちょっと間を置いた方が良い。相手がどのような気持ちで、何を伝えたいかを、少し考えてみると案外会話がスムーズに進むものである。
しかし普通の会話はその時々で人の気持ち読み取ることで自然に共感出来ているのではないだろうか。あまり意識されないで進んでいくし、通常はそれでスムーズに進むことが多い。
このコラムでなるほどなぁと思ったことは、気持ちを軽くする方法で「でも」のあとは良いことを言うようにすることと、アドバイスされていたのである。
例えば「昨日久しぶりにUSJに行って楽しいアトラクションを見られたし、凄く楽しかった、またおいしいものも一杯食べた<でも>雨がふっていたのは残念」という流れがあったとする。これを「昨日は雨が降っていて足元が悪かった<でも>久しぶりにUSJに行って楽しいアトラクションを見られたし、凄く楽しかった、またおいしいものも一杯食べた」、はるかにこの後者の言い方の方が聞く人の気持ちも良く、良い感じを与える。言っているほうも心が軽くなったような気がする。職場であまり良くないことを先に出し<でも>を後に出した会話をしていないだろうか?そんな時は自分を振り返り<でも>の前後を逆にすることを心がけてみてはいかがだろう。コミュニケーションも更に深まり、相手により理解してもらえるようになるのではないだろうか。
2015/07/01 06:49