先日の日経新聞の常識ナビというコラムに報・連・相のことが掲載されていた。
ビジネスの世界でよく使われる用語「ホウレンソウ」報告、連絡、相談の頭文字をつなげた造語で、仕事を円滑に進めるために欠かせない要素とされている。
どの組織でも必ず「報・連・相」は大切なものだと言われ続けている。
もうずいぶん前の話になるが入社2年目の時、上司から「最近の時間外届をまとめておいて欲しい」と指示された。私はそんなものはすぐに出てくるし、簡単な依頼と思い込んでいたのである。出来上がったものを即上司に渡すと「こんなものを要求していない、全体の時間外など分かる、欲しいのは販売部門、外商部門、管理部門のそれぞれと、前年対比、目標対比、時間外削減のための具体策が欲しいのだ」と言われるではないか。それなら最初からそう言ってくれれば良いのにと嫌な思いをしたことがあった。上司はおそらく簡単な指示からどのような行動を起すのか私を試されていたのだと思う。
こんな経験があったので、このコラム半ばに企業の人事研修などを手掛けるハイブリッドコンサルティングの吉山勇樹氏の意見にかなりの興味を持った。
氏によると「ホウレンソウで最も重要なのは相談」という。「ソウ→レン→ホウの順で進めると仕事の効率がアップする」と言われていたのである。この程度のことでいちいち依頼者に尋ねたら、自分の評価が下がってしまうのではないかと考え、ためらってしまうことが多いと思う。「期限間際になって、上司や先輩が考えていたものと全然違う資料を作って持って来られても困る、仕事を進める上では上司と方向性を一致させておくことが大切で、早めに相談するのがよい」と述べられていた。
全くその通りで、私の失敗事例も簡単に捉えてしまったからで、相談をしてベクトルを合わせてからすればもっと効率的な仕事が進められたと思う。
このコラムの結びに、ただ来た仕事を無計画にこなしているだけでは、ホウレンソウを心がけようにも難しい。ホウレンソウを心がけると上司や先輩、後輩などと意思疎通が良くなり、新たなアイデアも浮かんでくるし、ミスやトラブルを未然に防げたりするので、仕事のモチベーションを上げるとあった。
確かに「やらされ感」から受けた仕事でも「相談」を重視して取り組むと「達成感」に変わり大きな成果へとつながる可能性があるのではないだろうか。
2015/08/11 10:51