先日の日経新聞に国立青少年振興機構の調査で「自分はダメな人間だ」と思ったことがある日本の高校生は7割を超え、アメリカ、中国、韓国の割合と比べて突出していることが分かったと掲載されていた。機構によれば「地域社会のつながりが希薄になり、褒められる機会が減ったことが影響している」と分析していた。面白い調査なのでもう少し引用すると、調査は2014年9~11月、4か国の高校1~3年生7761人を対象に実施したらしい。「自分はダメな人間だと思うことがあるか?」との質問に「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した生徒の割合は、日本は72,5%だった。中国は56,4%、アメリカは45,1%、韓国は35,2%、日本が大きく上回っており、自己評価の低さが明らかになったのである。また「人並みの能力がある」と答えた割合は、中国とアメリカは共に約9割に上り、韓国も67,8%となったが、日本は55,7%に留まったそうだ。「自分の希望はいつかかなう」「体力には自信がある」「勉強が得意な方だ」との3項目で「そう思う」と回答した割合も、日本は4か国中で最も低かった。
非常に残念な結果にびっくりしたのである。安倍首相の言う「一億総活躍社会」の実現には程遠い状態ではないか。
今の日本は「やらされ感」が蔓延し「達成感」が欠落しているのではないだろうか。「やったー!」という経験があまりにも少ないと思われる。モチベーションが低いのは「自分が主語」にならず、他責の発想をしがちだからかも知れない。他責は楽であるが、何も生まれない。
失敗してもその失敗から学べることはたくさんある。私自身の経験から成功体験からは学ぶことは少ないが、失敗から学んだことは非常に多くあった。
「自分はダメな人間である」と思うと、物事が全て上手くいかないことが多い、変な自信を持ってはいけないが、もっとポジティブに考えていかないとじり貧になってしまう。日本は海外に留学する学生が少なくなったと聞くが、海外留学する日本人学生数は2004年をピークに近年急激 に減少しているらしい。逆に中国や韓国は多くなっているそうだ、このような現象も内向き人間を増加させているのかもしれない。学校教育でももっとグローバルな意識を持たせ、ポジティブな考え方を醸成させるように仕向けるべきではないかだろうか。
改めて上杉鷹山の言葉で「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」を思い出した。また武田信玄も「為せば成る 為さねば成らぬ成る業を成らぬと捨つる人の儚き」と言っている。
2015/10/15 07:50