人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

« 2015年12月 | メイン | 2016年2月 »

2016年1月 1日

新年を迎えました(ビジネスサプリメント625号)

あけましておめでとうございます

干支の十二支はかつて中国で農業を行う際に暦として使われていた農業用語で、
農作物の成長過程を12段階で表す意味を持ち、カレンダーとしての役割を果た
していました。

その十二支が江戸時代に日本に言い伝えられ、一般庶民でも分かりやすいよう
に十二支に動物が当てはめられ、そこから十二支が広がったと言われています。

申年の申は本来「しん」と読み、「のびる」や「もうす」という意味があります。
申は「雷」の原字であり「稲妻」を表した象形文字で、神の技という意味もあ
ります。

干支の申は猿とは関係のないものでしたが、申には動物の猿が割り当てられる
こととなりました

そして今年の干支は丙申(ひのえさる)です。猿は姿かたちが人間と似ている
ため、西遊記や猿カニ合戦、桃太郎の鬼退治などの昔話に数多く出てきます。

お正月に行われる猿まわしは、猿が厩(馬小屋)の守護神とされ、生活や神事
に必要な馬の厄除けとして始まったのが起源といわれているそうです。

また災難が去る。病魔が去る、不運が去る等すべての不幸が去るとして尊ばれ
ています。

混迷の世の中にあって臨機応変に対応できる申年にあやかれるように、良い年であって欲しいものです。

今年もよろしくお願い申し上げます。


2016/01/01 00:00 |

2016年1月 8日

一体感を感じた研修(ビジネスサプリメント626号)

最近ある組織の研修をした時のことである。対象者は50歳前後の男女約50名、メンバーは初めて集まったのでお互いに知らないし、彼らはラインではなく、事務の専門職や技師の方達等であり部下はいない。課題は「リーダーシップのあり方」や「組織内での役割」を考える研修であった。私の担当は講義とグループワークであり、担当時間は2時間、時間が少ないので進め方を随分考えた。1時間の講義では私自身の過去経験したITベンチャー企業での体験談を中心に話すこととした。もちろん部下はいなかったし、SEの方など全く私には分からない仕事をしている人達ばかり、しかも息子・娘ぐらいの年齢の方達が殆どであった。いわゆるリーダーシップの発揮は難しいし、役割も自分で決めて接していかなければならない。まずは自分自身の「後ろ姿」をみせることと声掛けをふんだんにすることに徹した。例えば私のデスクの横に社長が来られたら、前職で徹底的に癖づけられていたので、必ず筆記具を持ち立ち上がり真剣に聞く姿勢をした。その姿をご覧になられた社長はメンバーに組織内のマナーはこのようにあるべきと全員に諭されたことがあった。また「出羽の守=前の職場ではという人」にはならずに、尋ねられてから丁寧に説明するようにしたこと等具体的事例でお話ししたのである。
その後の1時間は講義を聞いて、組織内で求められる役割や、職場でのリーダーシップの在り方を10班に分かれて討議するのである。討議時間は45分、グループ発表15分と限られている。グループワークが始まる前に、例えば職場に新しい課長が入って来られたら、書類を見やすくしてサポートしてあげるとか、メンバーの相談役に徹するとか具体的な事例をお話しして、要は職場の「パイプ役」「つなぎ役」としての役割があるだろう、それぞれに率直にお話し合いをして欲しいと申し上げて進めていただいたのである。
最初は自己紹介から始まったが、ポストイットなどを使い段々と議論が弾んできた。もちろん私は各班を巡回してワンポイントアドバイスも欠かさなかった。
そしていよいよ発表の時間が来た、時間的に数班しか発表が出来ないが、巡回していて議論が弾んだ班に目を付け発表していただいた。
最初の班は女性の方が発表、驚いたのは私が指示していないのにメンバー全員が発表者と一緒に前に出てこられ、発表者と一体となってうなずき、相槌をうたれるではないか。普通は発表者を免れて良かったと感じ、他人事のように自席で聞かれる場面が多いものだ。そうすると後の班も同じようにメンバー全員が前に出てこられ一体感を持って発表されたのである。
私の最後のまとめで、今の発表のように一体感を持って物事を進める様に仕向けるのが皆さんの「リーダーシップ」ではないだろうかと締めくくった。

2016/01/08 08:31 |

2016年1月20日

育成とは(ビジネスサプリメント627号)

以前ある組織でリーダーの方が部下の指導方法で悩んでおられた。その部下の方はまじめでおとなしいのだが、ご自分の考え方を自ら述べられることが少なかった。従ってリーダーは彼が仕事の出来ない方ではないが、何を考えているのかなかなかつかみにくかったらしい。またリーダーの目線で見るとイライラすることも多く、ついつい責め口調で問い詰める場面が多かったそうだ。
強く指摘すると「物言わぬ人」になり議論がかみ合わなかったのである。そこで私にどうすれば良いのかと質問された。私はお2人共良く存じ上げていたので、リーダーに「あなたは理詰めで隙なく指摘するが、彼の性格ではヤドカリ現象=触れると貝の中に入ってしまう、どうだろう温かい空気を吹き付けると中から出てくるのではないだろうか?」と、また「任せることは育てること、彼は出来ないわけではないから、思い切り任せてプロセスの報告のみ怠らず、結果責任はリーダーにあると言ってみてはどうだろうか?」とも申し上げた。言わせる雰囲気は大切で、その答えから最も良い解決法が見つかるものだし、思い切って任せることは「自立」する機会でもあり、例え失敗してもその失敗から必ず学べるものではないだろうかと思ったのである。
リーダーは随分悩まれたようであるが、自分自身には言わせる雰囲気作りはなかなか難しいので、まずは「ある仕事を思い切って任せ、結果責任はリーダーが持つと宣言された」とのこと、そして必ず途中経過は報告することを義務付けられた。
先日リーダーとその部下の方とお目にかかったがお2人共凄く笑顔があった。そして各人と個別ヒアリングをしたのであるが、リーダーはある案件を「思い切って任せました」と言われ、その結果その案件で外部の相手先から驚くような良い反応が出て、彼もヤル気が出たとのお話しだった。続いて部下の方とヒアリングをしたが何時もより明るい、そして「ある案件でリーダーから任せられて、自分なりにやってみたら思わぬ良い反応が返ってきた、何だが自信が出てきた」と言われるではないか。また困ったらリーダーに相談できるし、自分のこれからの方向性が見えてきたと断言された。そう!指摘の繰り返しばかりしても、あまり効果が出てこないことが多い、このリーダーは「任せることが育てること」を実践されたのである。

2016/01/20 07:10 |

お問い合わせ