人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2016年2月21日

年上の人(ビジネスサプリメント630号)

以前にお手伝いしていた企業に優秀な若手管理者がおられた。彼は何でも率先垂範タイプであり、いざと言う時は「自分が責任取るから、思い切りやってみよう」と言う管理スタイルの方であった。ある時私に次のような質問をされたのである。
「部下になる年上の監督職のマネジメントが難しい、彼は職人気質でありマネジメントよりも仕事の方に気が入ってしまっている、自分の仕事を少しでも部下に託しマネジメント力を付けてもらいたいが、どのようにしたら良いのか教えて欲しい」と言う内容だった。マネジメントで性別・既婚・未婚・年齢を深く考えると難しくなるものだ。私はその監督職の方も良く存じ上げているので下記のように申し上げた。
①確かに職人気質で「マネジメント」は嫌いと言うタイプだが会社から任命された役割には「マネジメント」が含まれているのでしっかりと役割遂行をして欲しいことは押さえるべきである。
②このような方は「理論や理屈」でお話してもなかなか聴こうとされないことが多い、必ず「具体的事例」を引用して相手の興味あるポイントに絞りながらアドバイスすべきである、そこから上手くいったことなど引用すれば話は弾むのではないだろうか。
③場当たり的に指摘しても殆ど聞かれるスタンスにはなられないと思う、彼の
性格特性を良く見極めて、上から目線ではなく「同じ目線で」計画的に継続的に具体的に指摘すべきである。
④求められることが理解出来ればそれに応えようとされるものだ。
⑤人間的に優しい面を持っておられるので、決して決め付けずに熱意をこめてお話したら理解されるのではないか。
⑥話したことでもし「上手くいった成功事例」が出れば、そのことをどんどん広げていこう、きっと自信を持たれる違いない。
⑦人間は関心を持ってもらいたいと常に思っているものなので、常に声かけを忘れないようにしよう。
まぁこのようなことを申し上げたように思う。こちらが苦手意識を持つと、相手は鏡の様に同じことを感じるものだ。最初はなかなか上手く行かなかったようだが、しばらくしてから若手管理者からその監督職の方が良く理解され部下の方を上手くマネジメントされるようになったという報告をいただいた。

2016/02/21 07:24

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