人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2016年11月15日

指揮者とリーダー(ビジネスサプリメント651号)

先日音楽好きの後輩と新しくなった大阪フェスティバルホールへ久しぶりに行った。小林研一郎氏指揮でハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の名曲プロの決定版プログラムだった。席は生憎3階の後ろだったが音は抜群に良く聞こえるし素晴らしい施設だった。音楽は全く素人の私だったが指揮者小林研一郎氏の指揮には驚きだった。彼のタクトにメンバー全員がまさに一体となって音楽を奏でていた。
指揮者は全精力を各担当に向け、感服の連続だったのである。後半は1時間弱タクトを振られていたが、凄いエネルギーを出されたのであろう。私は終わった時、自然に拍手していたのである。
「指揮者」と「野球監督」は一度やってみたいと言われる気持ちが、少し分かったような気もしたのである。
指揮者はまず楽譜を読み取り曲を良く知ることから始まるのであろう。楽譜を読み込んで楽譜の深いところを、その曲の意味するところ、表現したいところをつかみ取り表現していかなければならない。そして指揮者は演奏者のまとめ役、いろいろな考えや、特性を持った人たちの音楽性をまとめていくのであろう。一番大切なことは演奏者の表現力を高めること、即ち演奏者の持っている良いものを最大限に発揮させることなのだと思う。指揮者は演奏者をのせ、聴衆に感動を与えるナビゲーターなのかもしれない。
振り返って組織のリーダーもこのようにあらねばならないことは言うまでもない。自分の思いだけでタクトを振り回していないか?メンバーの音がバラバラで音になっていないか?タクトを見ずに勝手な振る舞いをしているメンバーはいないか?等々指揮者と組織のリーダーの共通点は多いと、改めて感じたのである。今後の組織のあり方を描き、どのような流れですすめていくのか?
メンバーの性格特性を良く把握して、可能な限りその部分を活かすように仕向けて行くのか。各人の役割を明確にして、何時どのようにして発揮させられるのかを考えなければならないし、またどのように連携させていくかが問われる。ただリーダー任せだけではいけない、それぞれを正しい道へナビゲートしていかないと「指示待ち人間」になってしまう。今回の様に指揮者が素晴らしければ、感動する演奏会になる。
リーダーが素晴らしければ一体感が醸成され、素晴らしい成果に結びつくことを、この演奏会で学ばせてもらった。

2016/11/15 06:46

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