人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2016年12月14日

起業して輝業になった(ビジネスサプリメント653号)

50代後半の知人の話しである。ある会社を自ら退職し暫くは何もしなかった。彼は以前に何回か転職もしている。いわゆる組織になじめない人だったかもしれない。「まだ何もしないと言う歳ではない、何か始めろよ」とよく言ったものだ。彼は疲れきっていたのである。他の人には言えない今までのかなりの蓄積疲労があり前に進めない状況は良く分かっていた。辞めた会社での心の傷を癒していたのである。時間はかかったが1年ほどは何もしなかったようだ。いわゆる「踊り場」で次への飛躍の準備をしていたかもしれない。
やがて根っからの「商い心」が芽生えてきた。彼には「商い心」が根付いているのである。会社設立の定款・その他の手続きは後輩の専門家がいるので任せたようだ。仕事は今まで全く経験のなかった「IT関連商品」を販売する仕事だった。お金をいくら儲けるなんて気持ちは全くないが、一応ビジネスモデルは立てていたようである。コツコツと準備はしていたのである。「良い仕事がしたい」の一語であった。好きな仕事だったようであり、「好きこそものの上手なり」の典型であった。彼らしいところは人脈が本物なのだ、新たな人脈も心があるからどんどん出来る。眠っていた人脈も掘り起こすことが出来る。見る見るうちに顧客が広がってきたのである。やらされ感なんて全くない。「今日はこんな商品を見つけて来ました」、「今日はこんな販売ルートと契約しました」とよく知らせてきたものだった。「今日は騙されました」なんかもあった。ともかくよく動く人である。難問題が起きるほどファイトが出てくるタイプなのだ。やる時は一生懸命である。その姿に何となくオーラが出ていたような気がする。今は大手の販売ルートを確保した。またまたこれはと言う商品を天性的な嗅覚見つけてくる。もう誰にも縛られたくないのだ、自分で自由に動ける快感を、楽しみながら仕事に取り組んでいる。そこには「悲壮感」は全くない。商い額はしれているとのこと、しかし何とか黒字経営になったと言う。最近彼に会ったが更にポジティブであり、能弁で顔は輝いていたのが印象的であった。ふと思ったが彼は「企業で経験し起業して輝業になった」のではないかと感じたのである。

2016/12/14 08:15

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