人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2017年4月 8日

CEOって(ビジネスサプリメント665号)

先日の日経新聞「1日均衡」というコラムにおもしろい記事が掲載されていた。世界有数のPR会社、米エデルマンが毎年世界28カ国で実施する「トラストバロメーター(信頼度指標)」というものがあるらしい。その中に最高経営責任者(CEO)の信頼度についての質問もある。その最新の結果を国別に並べると、日本はなんと最下位で「CEOは信頼できる」と答えた回答者はわずか18%にとどまったとある。ちなみに1位はインドの70%、マイクロソフトやグーグルの現CEOはインド出身者であり、「優秀なGEOは国の誇り」という感覚が国民全体に共有されているかもしれない。国別の傾向を見ると、先進国では総じてCEOへの信頼度が低くなっている。リストラを迫り、間違った指示を出している大手の会社も多い事実が評価につながっているかもしれない。
ただ同じ先進国でも日本の低さは突出し、ビリから2番目のフランス(信頼度23%)と比べてもかなり劣るのである。やはり大手企業の不正会計事件や不祥事が絶えないからだろう。
この疑問に対してエデルマン日本法人のロス・ローブリー社長の仮説は「日本の経営トップが何を考え、何をしているのか、一般の社員や社会が目の当りする機会が少ない、可視化(見える化)の低さが、信頼の低さにつながっているのではないか」と言われている。要はトップと一般者の人々との距離感が大きく、信頼を寄せたりすることが稀なのだろう。
私事で恐縮なのだが、阪神淡路大震災時に途方にくれていた私達に時のトップが「心配するな!必ず復興できるから!」という力強い言葉を言われたことを思い出した、その一言でどんなに勇気づけられたか。CEOやCOO等の言葉が頻繁に使われ出した今日であるが、一番大切なことは現場言葉(スローガンではなく現場で即行動に移せる言葉)で現場主義になることが大切だと確信する。
以前ご支援していた物流会社で深夜勤務の人達が「手当はもらっているが、我々の仕事をトップは知っているのだろうか?」という率直な疑問が出た。そこでトップにそのことをお伝えすると、ある時深夜に現場に訪れて慰労の言葉をかけられたのだ。早速深夜勤務の人達から「トップが我々の仕事を理解していただいた、ありがたかった」と言われたのを思い出す。会社の規模ではない、CEOが外向き・下向きになって、現場言葉で語れれば「信頼度指標」は上がり、現場のモラールも目に見えて上がることだろう。

2017/04/08 09:16 |

2017年4月16日

絞ってみよう(ビジネスサプリメント666号)

人間1人の容量は決まっているのではないだろうかと思う時がある。故にムリをせず自分らしくやろうと考えることも決して悪い事ではない。
自分と同じ大きさのスポンジがあるとしよう。これが自分の容量だとして、水を一杯に含んだ状態では、もうそれ以上は吸収出来ないし、ダブダブで重くて動けない、また中身も腐ってくる。しかしこれをギュッと絞ってみると非常に軽くなる。人間もこれと同じではないだろうか。自分が重たくなっているなぁと感じたら、ギュッとしぼってみたらどうだろう。空っぽになれば面白いほど吸収でき、こんなにも自分には可能性があるのかときっと気づくはずである。
空っぽになる時間がない、自分と向き合う冷静さがないと思っていては後退あるのみである。自分のスポンジをしぼると、軽くなるし感覚が鋭敏になってくるし、核になるのもならば絞っても必ず残るものだ。そして余計な脂肪を捨て去れば本当に必要な情報が自然にどんどん入ってくる、そしてそれをキャッチも出来るし、状況判断も的確に出来る、またポジティブ思考になってくるものだ。自分自身の動脈硬化を起こしてはならない。
まずあせらないためにも容量は決まっていると思い、次のステップを考えることから始めることが大切だろう。一度空っぽになって吸収する、そうすれば、素直で前向きな気持ちが知らず知らずに自分を成長させ、いつの間にか容量が広がっていくかも知れない。
また「容量は決まっている、しかし人間は容量を広げられる」という考え方をしていきたいものだ。よく分に合わない大きな仕事をする人がいるが、100%をいきなり150%にはかなり難しい。目標管理が上手くいかないケースが多いのはこんな運用をするからではないだろうか。まず100%の能力で102%ぐらいからトライすると案外うまくいく。
うまくいったらまた次のステップで徐々にアップしていけば良いのではないか。
一番大切なのは時々、自分のスポンジを絞りながら、一度空っぽになって、それからどんどん吸収して自分の容量を広げていくことだろう。

2017/04/16 16:16 |

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