人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2017年2月 7日

オーバー65歳(ビジネスサプリメント660号)

先日の日経新聞に「オーバー65歳―会社にやりがい」と題した記事が掲載されていた。前号で再雇用問題を取り上げたが、世の中は高齢化への促進が著しいと叫ばれている昨今、記事にもあったが年を取ったからといって、社会の重荷のように扱われるのを不本意に思う高齢者も多い事だろう。実際筆者の周りにも元気な高齢者は増加しているのも現実である。「高齢者=65歳」という定義そのものを見直され、日本老年学会と日本老年医学会は今年1月、高齢者の定義を現状の65歳以上から75歳以上に引き上げる提言をまとめたとある。ちなみに65歳から74歳までを「準高齢者」と呼ぶらしい。何だか嫌な呼び方であるが・・・
記事には2016年の65歳以上就業者は767万人に上り、この10年で257万人も増えたとある。もちろん経済的な理由で働かざる得ない高齢者もおられるだろう。年金がもらえるようになっても働く意欲がある男性は独立行政法人労働政策研究・研修機構が15年に実施した調査によると、60歳代で79%、70歳代以上で77%とシニアの就業意欲は旺盛なのだ。この数字は意外だった。
定年後は孫とふれあい、旅行を楽しみ、思い切り好きなことをしたいという思いとはあまりにも違う数字なのだ。生産人口が減っている現在、意欲旺盛なシニアの活用は喫緊の大きな課題である。
65歳で完全退職し、趣味三昧や地域貢献に徹している方も多いが、私の周りには「仕事と趣味の両方があるから人生は楽しい」という方々も確実に増えている。記事にもあったが「昔貢献したんだから楽させてよ」といった気持ちは絶対に持ってはならない。あくまでも「役に立つ」ことありきなのだ。「余生」ではなく「セカンドステージ」なのだ。
前職のブレインワークスの近藤社長は、「もし波平が77歳だったら?」の続編で「私たちは生涯現役!もし77歳以上の波平が77人集まったら?」という本を上梓され、実際に起業等されている77歳以上の生涯現役の方々が今を語られている。近藤社長は「日本」の主役の座はシニアと言い切られているのだ。
先日ご支援企業の30歳前後の若手の方々数名とお話し合いの場があった。その時に驚いたのはみんな「今のままではいけない、もっと成長したい」と言われたのである。「ゆとり世代」の彼らから、こんな言葉が素直に出た事に驚いた。
そう、シニアも「いくつになっても学び、成長し続ける気持ちを忘れてはならない」のかも知れない。

2017/02/07 18:44

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