人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2017年6月 1日

熱意ある社員(ビジネスサプリメント669号)

先日の日経新聞に「熱意ある社員」6%のみ と題したショッキングな記事が掲載されていたので、少し要約してみる。
「アメリカのギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員の仕事への熱意度調査によると、日本は<熱意あふれる社員>の割合が6%しかないことが分かった、アメリカの32%と比べて大幅に低く、調査した139ヶ国中132位と最下位クラスだった」とある。これを読んで驚いた次第である、どのような企業を対象に調査されたのか?そんなに低いのか?これは大変なことである。また更に「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達したとあった。
今日本は労働生産性を上げる「働き方改革」が盛んに叫ばれている現状、何かヒントは無いかと思い読み進めていくと、ギャラップの会長ジム・クリフトン氏のコメントが掲載されていた。
「日本は1960~80年代に非常によい経営をしていた、コマンドとコントロール(指令と管理)という手法で他の国もこれを模倣していた、問題は1980~2000年頃に生まれたミレニアル世代が求めていることが全く違うことだ、彼らは自分の成長に非常に重きを置いている、またそれ以上に問題なのは「不満をまき散らしている無気力な社員の割合が24%と高いことで、周りに悪影響を及ぼすとあった」。思い返せば前職でも確かにそのような傾向はあったように感じる。
彼はこれの解決策を「主な原因は上司にある、上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するというのが従来のやり方だった、このマインドセット(思い込み)を変えないといけない」と言う。私はお手伝いしている企業の社員の方々にどのようなやり方が最適かを主体的に考えるようにナビゲートすることに徹している、そうすると「自分が」が主語になるのである、決して「会社が」とか「上司が」とかにつながらない、もちろん会社の理念や方針から外れていてはならないことは言うまでもない。
またジム・クリフトン氏は「部下の強みが何かを上司が理解すること、弱みを改善することに集中すべきではない」ともあった。
要は上司が部下に関心を持ち、強みを把握しその人が活躍できるような場を提供すれば、無気力感はなくなる。適材適所の人員配置が最も求められるわけであるが、そう簡単に適所は見つからない、上司が部下の特性を把握出来て「達成感」を持たせるような仕事の進め方をナビゲートすれば「熱意ある社員」はどんどん増えて労働生産性がアップするのではないだろうか。

2017/06/01 06:35

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