人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2017年7月 1日

AIの申し子(ビジネスサプリメント671号)

先日14才の中学生、将棋の藤井聡太4段が公式戦29連勝という、30年ぶりの快挙を成し遂げた。彼もソフトも探究し並々ならぬ努力をされたのであろう、これからもこの記録を更に更新されるのではないだろうか。
時を同じくしてNHKの番組で昨年に引き続き「人工知能―天使か悪魔か」というドキュメント番組を鑑賞した。最近中国のカケツ氏が人口知能アルファー碁に負けたというショッキングなニュースがあったばかりである。今回は将棋の佐藤天彦名人がポナンザという人口知能に負けたという場面から始まった。今までの正道をひっくり返すような局面が随所に出て来たのである。人間の知性を超える不思議な展開が続いていた。
また名古屋のタクシー会社が配車にAI(人工知能)を使った事例が放映されていた。位置情報データを使いどのあたりでお客様が乗車する確率が高いかを瞬時に判断するという。新人ドライバーもベテランドライバーも何と不思議なぐらい乗車率がアップしたのである。今後は無人ドライバーで走る時代も近いのだろうか?何だか少し怖い感じがする。
印象的だったのはストレスが多く離職率が高い職場のケース事例だった。
人事考課で人が人を評価する事の難しさは、誰しもご経験があることだろう。
退職者を未然に防ごうと責任者が各項目に従ってヒアリングをしている場面があった。責任者がある人材とヒアリングした結果、ある程度満足度が高く「頑張るだろう」と思った人に、AIはこの人材は離職する可能性ありと出たのだ。人の面談では気づけない何かがあるのか?私もご支援企業で個別に「気づき」のヒアリングをさせていただいているが、この事例はかなりショックだった。例えばこの人材が上司とそりが合わなかった場合、上司が人事異動で変わったらどうなったのかまで読み取っているのだろうか?
AIには喜怒哀楽があるのか?恐怖心があるのか?5感はあるのか?今後AIのブラックボックスの解明が急がれるのは間違いない。
羽生3冠が語っておられた言葉「AIをどう使いこなすかが問われる、<仮想敵>として見てはいけない、アイデアを参考にしながら、上手く活用すれば大きな力になる」が印象的だった。
そう言えば年末に母校で講演した時、教授から「IOTやAIなど目覚ましい進歩を遂げているがどう思われるか?」というご質問があり、私は「使われていてはダメで、どのように使いこなしよりプラスにしていくかが大事」とお答えしたのを思い出した。

2017/07/01 07:18

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