先日の日経新聞に愛知県経営者協会がまとめた、手を焼くシニア社員という記事が掲載されていた。これからの労働力不足の時代に期待できるのはシニア社員の活用と女性の社会進出なのに、手を焼くシニアでは困ったことである。この記事は5つのタイプに大別し、適性に応じた対策を40代から講じるように指摘する提言をまとめている。
会社が困る高年齢社員の5類型として
① (勘違い)元管理職の威厳を武器に過去の仕事のやり方に固執するタイプ、これは多いのではないだろうか、切り替えスイッチが効かなくなっているのだ。特に同じ部門に残った人に多く見られ、最初は周りが合わせてくれるが、いつまでも続くようだと、もう相手にしなくなるものだ。そのことに早く気づかなければならない、上目線では受け入れられないし、自分の立場や役割が変化したことを認識しなければならない。
② (評論家)文句は多いが当事者意識に欠け、組織の役に立つ実務が出来ないタイプ、前職でも経験したが、ある高齢者社員が私に外部でルールマナー違反の社員がいたよと伝えてくれた。私は「あなたはその場で注意してくれましたか?」と問いかけると、黙ってしまう方がおられたのである。まさに他人事意識の塊なのだが、これでは役に立つことはない。
③ (会社依存)仕事は会社が準備するものと認識し、言われなくては動かないパターン、スキルを高める努力もしない、仕事は自分で察知して作るもの、
自分の過去の経験値は必ず色あせずに役に立つことを謙虚に考えることを放棄している。
④ (現状固執)自分のやり方に強いこだわり、新しい業務知識を学ばない、このタイプも困ったものだ、時代はどんどん変わっているのに、自分自身が変わろうとしない人は、時代から取り残されて、社会との大きな溝を作っていることに気づかないのである。
⑤ (割り切り)賃金に見合う仕事はこの程度だと割り切り、職場に悪影響を与えていることに気づかない人、特に定年再雇用された方は賃金がダウンすることが多い。ある知人は「まぁゆっくり、のんびりやります」と私に言うではないか、そんな気持ちでは何ら戦力にはならず、周りからは嫌がられ邪魔者扱いされるのだ。
今私はシニアの方々の起業や再雇用を応援している仕事にもタッチしているが、「役に立っている」「その仕事が好きである」「いささかの報酬も入ってくる」の3つを兼ね備えたら、シニアでもその方の天職になるとお話ししている。
2017/07/15 05:18