人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

« 2017年8月 | メイン | 2017年10月 »

2017年9月 1日

プロセスが大事(ビジネスサプリメント675号)

私は学生時代に弓道部に属していた。大した成績も残さず全く中途半端だったことを今更ながら深く反省している。
弓道は結果が全てではなくそのプロセスに重きを置くのである。要は「当てる」ではなく「当たる」のである。これはビジネスにおいてもあてはまるのではないだろうか。
弓道は「礼」に始まり「礼」に終わると教わった。その中に弓道八節と呼ばれるものがあり、的に向かって矢を射る時は
① 足踏み、②胴創り、③弓構え、④打ちお越し、⑤引き分け、⑥会、⑦離れ、
⑧残心(残身)を確実に行わなければならない。要はプロセスを確実に決なければ矢は的に当たらないのである。迷いなどの心の弱さがあれば形となって出てこないのである。
ご支援している企業でも「結果」を求め過ぎて、「プロセス」を疎かにしているケースが多く見られる。結果を求め過ぎて、結局は焦り、もがいて結果が出ない場合を数多く見て来た。弓道で言えば「的に当てたい」「勝ちたい」という考えが出過ぎると、心に悩みが生じ姿勢が崩れて「当たらない」のである。
また「正射必中」という言葉もあるが、これは「弓を射るまでの一連の動作を正しく行えば必ず的を射ることが出来る」とする考え方なのだ。
もう50年も前のことであるが、今でも弓道八節の「残心<残身>」という言葉が心の中に深く刻み込まれている。残心<残身>とは矢の離れた後の姿勢であり、矢が離れたことによって射は完成されないのである。残されたものが「残心<残身>」である。精神で言えば「残心」、形で言えば「残身」となり、「残心<残身>」の善し悪しによって射全体の判別が出来、射手の品位格調も反映する。一貫した射が立派に完成された時は「残心<残身>」も自然に立派になるのである。
スポーツ選手が負けた悔しさで、グローブやラケットをたたき付ける場面を観ることがあるが、取り組むプロセスやスタンスが乱れているからであると考えることが出来れば、次にはきっと良い結果が出るのではないだろうか。
物事が上手くいかない時は他責にしてしまうことが多いが、全て自責なのだ。
弓道で言えば、弓道八節を確実に出来ていなければ的中はしないし、結果がどうであれ「残心<残身>」が出来ていれば必ず「結果」につながるものだ。

2017/09/01 07:10 |

2017年9月15日

これも働き方改革か(ビジネスサプリメント676号)

親会社から子会社のトップとして着任する大手企業が多く見られる。また定年を迎えたので、その後の行き先として子会社へということが慣例化しているなんて、とんでもない話がまだまだある。経営の第一線を退いた人材が、顧問や相談役として就くケースが多いのだ。子会社が以前の経験など全く活かされない会社であれば、人件費のムダ使いになるし、その費用で若い優秀な人財を多く育てていく方が、子会社にとっては必ず将来的にはプラスになることは言うまでもないだろう。
しかし今までの手腕を子会社で発揮して欲しいという意味合いのケースもあるかも知れない。あるいは子会社で頑張って活性化させて、また親会社に戻って更に活躍されるのであれば、何の問題もない。しかし実態はいわゆる天下りのポストで、何時も誰かが本社からトップが来る、役員が来るというケースを垣間見ることが多いのが実態だ。当然子会社の人間は頑張ってもトップにはなれない、親会社には文句も言えない、よって実力があって着任されるケース以外は、多くの子会社の生え抜きの人達のモチベーションが落ちていくのは当然である。会社の風土は良くはならないし、人事生産性も著しく落ちていくだろう。またあきらめ感や、やらされ感が蔓延し、達成感などを期待することも出来ないのではないだろうか。
まして「個室」「専用車」「秘書」の3種の神器付、また退職慰労金まで出るのは何かおかしい。大部屋でみんなと一緒に汗をかく覚悟くらいは持って欲しい。
出来る人材であれば、子会社というロープにぶら下がらず、バンジージャンプのロープを掴んで、飛び降りるくらいの勇気が欲しいし、出来れば「起業」に繋げたら言うことはないと思う。そして起業した会社に優秀な子会社の人達を雇用して、チャレンジするチャンスを与えてあげることこそ、今後の働き方改革につながるのではないだろうか。
もし生え抜きの社員をトップに据えるのが難しい場合は、親会社からは自分のことは自分で出来るスタンスの持ち主や、自分の経費は自分で稼ぐぐらいの実力のある人に活躍してもらえば、子会社の士気も上がり、みんながハッピーになること間違いない。

2017/09/15 07:02 |

Entry Archive
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月
2009年12月
2009年11月
2009年10月
2009年9月
2009年8月
2009年7月
2009年6月
2009年5月
2009年4月
2009年3月
2009年2月
2009年1月
2008年12月
2008年11月
2008年10月
2008年9月
2008年8月
2008年7月
2008年6月
2008年5月
2008年4月
2008年3月
2008年2月
2008年1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年9月
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
お問い合わせ