親会社から子会社のトップとして着任する大手企業が多く見られる。また定年を迎えたので、その後の行き先として子会社へということが慣例化しているなんて、とんでもない話がまだまだある。経営の第一線を退いた人材が、顧問や相談役として就くケースが多いのだ。子会社が以前の経験など全く活かされない会社であれば、人件費のムダ使いになるし、その費用で若い優秀な人財を多く育てていく方が、子会社にとっては必ず将来的にはプラスになることは言うまでもないだろう。
しかし今までの手腕を子会社で発揮して欲しいという意味合いのケースもあるかも知れない。あるいは子会社で頑張って活性化させて、また親会社に戻って更に活躍されるのであれば、何の問題もない。しかし実態はいわゆる天下りのポストで、何時も誰かが本社からトップが来る、役員が来るというケースを垣間見ることが多いのが実態だ。当然子会社の人間は頑張ってもトップにはなれない、親会社には文句も言えない、よって実力があって着任されるケース以外は、多くの子会社の生え抜きの人達のモチベーションが落ちていくのは当然である。会社の風土は良くはならないし、人事生産性も著しく落ちていくだろう。またあきらめ感や、やらされ感が蔓延し、達成感などを期待することも出来ないのではないだろうか。
まして「個室」「専用車」「秘書」の3種の神器付、また退職慰労金まで出るのは何かおかしい。大部屋でみんなと一緒に汗をかく覚悟くらいは持って欲しい。
出来る人材であれば、子会社というロープにぶら下がらず、バンジージャンプのロープを掴んで、飛び降りるくらいの勇気が欲しいし、出来れば「起業」に繋げたら言うことはないと思う。そして起業した会社に優秀な子会社の人達を雇用して、チャレンジするチャンスを与えてあげることこそ、今後の働き方改革につながるのではないだろうか。
もし生え抜きの社員をトップに据えるのが難しい場合は、親会社からは自分のことは自分で出来るスタンスの持ち主や、自分の経費は自分で稼ぐぐらいの実力のある人に活躍してもらえば、子会社の士気も上がり、みんながハッピーになること間違いない。
2017/09/15 07:02