人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2018年5月 1日

管理する人、される人(ビジネスサプリメント696号)

一般的に組織体では良く管理と言う言葉が使われている。我々も人事管理・在庫管理・計数管理・管理職等々何気なく使っていることが多い。「管理する人、される人」と表現すると何となく「やらされ感」に満ちた嫌な響きに聞こえたりするものだ。「管理」を辞書で引いてみると「そのものが上手く保管されたり、そのものの円滑な働きが保てるように、何時も気を付けたりすること」とある。
このように上手く「管理」されている事例は極めて少ないのではないだろうか。
一般的に管理優先の組織は一見統率がとれているように見られるが、案外もろいものなのだ。管理が優先し過ぎると「従属型人材」が増え「自立型人材」が育たないような気がする。この厳しい環境下「自立型人材」でないと乗り切れないことが多い。自分がぶら下がる枝は自分で作らないとすぐに折れてしまう
ことが多い、だから自立しなければならない。バンジージャンプのロープはまずは飛び降りてからしかぶら下がれない。しかし今の時代は「ぶら下がり型」から「雲梯<うんてい>型」の世の中である、すなわちしばらくはぶら下がれるが、そのままだと落ちてしまう、前に進んでゴールしなければならないのだ。
野生の虎は餌を自分で獲らないと飢え死にするが、動物園の虎は餌を与えられて生きている。もしジャングルに放たれたら真っ先に飢え死にするのは動物園の虎であることは言うまでもない。
「依存型人材」を育てるのは旧来の管理スタイルであり、これからの管理者は「自立型人材」を育てていかねばならない。「うちの会社は指示待ち人間ばかりだ」と嘆くのは、自ら「依存型人材」を育成してきたからであり、言い換えれば「知らず知らずにやらせる管理」をしてきたからなのである。これからの管理とは「相手を納得させ、相手の考えていることを十分聴き自主的に実践してもらうこと」が求められる。以前ほど言われなくなったがまさに「ティーチング」から「コーチング」なのである。即ち相手を「受け入れ」そして「働きかけ」をしていきながら「気づかせて」指示命令ではなく、自ら動かせるのである。そこには「やらされ感」はなく「達成感」が醸成されるであろう。
指示しないとやらないのは、指示ばかりしてやらせてきたからであり、部下が上司を信頼しないのは、上司が部下を信頼してこなかったからである。今こそ旧来の管理スタイルから脱却し「部下にやる気を起こさせる」ことが非常に大切になってきた。山本五十六氏の有名な言葉の2番目は「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」だった。

2018/05/01 07:09 |

2018年5月15日

シンクロ(ビジネスサプリメント697号)

最近本当にびっくりしたことがあった。外部のお世話になっている方だが、お互いについつい連絡を取り合う機会が少し途切れていたのである。いきなりお電話するのもどうかと思い、まずメールを送ろうと作成していた途中に着信メールが届いた。何とその着信メールは私がメールを送ろうとしていた方なのだ。
私のメールは途中だったので、まず保存し着信メールを読み、再度中途から変更文を入れ送信した。おそらく相手の方もびっくりされただろう。そして、その後お電話を差し上げお目にかかることになったのである。誠に不思議としか言いようがない。相手の方とお目にかかった時、その方も驚いておられて、よりお互いの親近感が増してきたのは言うまでもない。
このようなことを心理学者ユングはシンクロニティーと呼んでいる。日本語で言えば「偶然の一致」とでも言えるかも知れない。そういえば「シンクロナイズドスイミング」はまさに演技の一致を競うスポーツである。日本を世界のシンクロ界の強豪に育て上げた立役者、井村雅代さんの本を読んだことがあるが、シンクロのあの美しさを出すため選手達は想像を絶する訓練をされているのだ。
日頃の活動においてもシンクロがある時は必ず上手くいくケースが多いような気がする。ビジネスでもこの考えは大切ではないだろうか。初対面の相手の方とお話しする時も、第一印象で決めつけて思い込んではいけない、思い切りシンクロすることが大切だ。要は相手目線を意識して振る舞うことである。子供服売り場の販売員は子供さんの目線までしゃがんで話をする。相手の方がテンポの速い話をされる方だったらこちらも合わせよう。私はご支援先のメンバーと個別ヒアリングする時は相手の方のテンポに必ず合わせるようにしている、まるで演奏会の「コンサートマスター」のように。そうすると不思議に相手との話が弾み交流できるものだ。かたくなに自分の形を崩さない方もおられるが、そこはもう少し柔軟性を持ち、少し肩の力を抜くと、相手の方とのシンクロが出来るのではないだろうか。常にシンクロを意識してヒアリングを実践していると、相手の方の見えないものまで見えてくることがある。

2018/05/15 08:31 |

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